
オフィス内装工事とは?費用や業者の選び方、流れを解説
オフィス内装工事とは、オフィスを機能的にデザインし働きやすい環境づくりを行うための一連の工事を指します。内装工事を予算内に抑え、理想的な環境にするためには、内装工事の区分・種類・工事の流れを把握し、適切な業者へ依頼することが大切です。 この記事では、オフィス移転をお考えの企業担当者の方に向けて、オフィスの内装工事とは何か解説します。また、内装工事の種類や流れなども併せて紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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内装工事とは出来上がった建物の内部の工事のこと
内装工事とは、出来上がった建物の内部で行う工事のことです。 内装工事の具体的な作業は間仕切りの壁やクロスの張替え、建具の取り付け、床・壁・天井の仕上工事などですが、オフィスの内装工事には、電気・ガス・水道・空調などの設備工事が含まれる場合もあります。 オフィスの内装工事で行われる電気・ガス・水道・空調の設備工事には次のようなものがあります。
- 電気設備工事:分電盤・電気配線・コンセント工事・スイッチ工事など
- 水道設備工事:給水管や排水管の配管工事・トイレや手洗い場の設置・グリストラップ設置工事など
- ガス設備工事:ガス管の配管工事・コンロやフライヤーといったガス機器の設置工事など
- 空調設備工事:換気設備や空調設備の設置工事など
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内装仕上工事との違い
内装工事と似た用語に内装仕上工事があります。 内装工事は、建物内部の構造や設備を整える工事を指す言葉です。一方、内装仕上工事は内装工事で整えた空間の最終的な仕上げを行い、美観や機能性を向上させる工事を指します。 内装仕上工事に該当する作業は壁紙の張替え・床材の設置・タイル貼り・カーペットの張替え・照明機器の設置・カーテンの取り付けなどです。
内装工事の工事区分は3つ
内装工事の工事区分は、A工事・B工事・C工事の3つに分けられます。どの区分に該当するかは、誰が業者の選定・発注・費用負担をするのかと、工事範囲で決まります。オフィスの内装工事は、B工事とC工事に該当します。
A工事
A工事は業者の選定から発注、費用負担まで全てオーナー側で行う工事です。対象範囲はビルの外装・外壁・エレベーター・階段・共用トイレ・共用通路・標準的な設備など、建物の駆体や共有部分の工事が該当します。
B工事
B工事は入居者の要望によって、オーナーの権限で行う工事です。施工業者の指定はオーナーが行い、発注や費用負担は入居者が行います。対象範囲は空調設備・防水防災設備・分電盤・給排水の配管工事・厨房給排気など、テナント内の専有部分で建物に影響を及ぼす部分の工事が該当します。
C工事
C工事は入居者が発注し、オーナーの承認を得て行う工事です。施工業者の指定・発注・費用負担は入居者が行います。対象範囲は壁紙の張替え・カーペットの張替え・家具の取り付け・電話工事・照明工事・会社名や各部屋の案内表記の設置など専有部分で建物全体に影響を及ぼさない部分の工事が該当します。
内装仕上工事の種類
内装仕上工事は主に下記のような種類があります。
- 壁張り工事
- 床仕上工事
- インテリア工事
- 天井仕上工事
- パーティション工事
- 防音・遮音工事
- 原状回復工事
- サイン工事
それぞれの特徴を解説します。
壁張り工事
壁張り工事は、壁紙やタイルなど内装材を壁の下地に張り付ける工事です。主な壁材にはクロス・塗り壁・木材・タイルの4種類があり、比較的少額の費用でオフィスの雰囲気を変えられます。
床仕上工事
床仕上工事は、クッションフロア・カーペット・タイルなどの床仕上げ材を張る工事です。 床仕上工事によって、床の高さ調節・空気の通り道の確保・美観の向上・耐久性の向上・音響性能の向上など、機能性と空間の美しさに影響を与えます。
インテリア工事
インテリア工事は、椅子・テーブル・照明器具・ドア・キッチンなどの設備機器を使用し、室内を依頼主のイメージに近い形に装飾する工事です。 インテリア工事で働きやすい導線を作ることで、従業員が快適に働ける環境が整い、業務の効率化や生産性の向上が期待できます。また、清潔感が高まり対外的なイメージの向上にもつながります。
天井仕上工事
天井仕上工事は、天井下地に塗装・クロス張り・パネル張り・化粧板など要望や現場に合わせた素材を使い、内装を完成させる工事です。 天井仕上工事を行うと、部屋が広く見える効果が見込めます。また、アクセントクロスや塗装を用いて印象的な天井にしたり、パーティションを使用せず部屋を区切ったりすることも可能です。
パーティション工事
パーティション工事は、スチールやアルミで造られたパネルを組み立て、空間を仕切ったり、設置しているパーティションの撤去や廃棄を行ったりする工事です。 パーティション工事を行うことで、スペースの新設・プライバシーの確保・セキュリティの確保・防音遮音効果・デザイン性の向上などスペースの有効活用ができます。
防音・遮音工事
防音・遮音工事は、床や壁に防音シートや防音パネルを入れるなどして、音漏れや音の反響を防ぐ工事です。防音工事は屋外からの騒音を防止または低減する工事を指し、遮音工事は屋内から屋外へ音が漏れないようにする工事を指します。 音を低減するだけでなく、気密性や断熱効果も向上するため、結露防止や電気代の節約も期待できます。
原状回復工事
原状回復工事は、借りている物件を明け渡す前に、入居前の状態に戻すための修繕や改修工事のことです。 原状回復工事は、オフィス移転を行う際に必要な工事ですが、対象範囲は契約内容により異なります。一般的な対象範囲は内装や外装の解体撤去、管理設備や電気系統の撤去、水回り設備などの撤去、クロスの張替えや塗装などです。
サイン工事
サイン工事は、エントランスの社名やロゴの看板、会議室や休憩室など各部屋の案内表記を取り付ける工事のことです。社名やロゴの掲示はブランディング効果を高め、コーポレートアイデンティティを表現するために有効です。また案内表記があれば、社員が社内をスムーズに移動しやすくなったり、社外の方が来社した際に、目的地にたどり着きやすくなったりするでしょう。 サイン工事は内装工事の中でも比較的低価格で行える工事です。デザイン性にこだわることで、コストを抑えてオフィス内の空間デザインを向上させ、会社のイメージアップを図れます。
ドア工事
ドア工事とは、ドアの取り付け工事や入退室管理システムの導入、紛失した鍵の作成など、ドアに関する工事全般を行います。
オフィスのドア工事は、プライバシーの確保や静音性を高めることが可能です。また、最新のセキュリティ技術を備えたドアを導入することで、オフィスの安全性を高めることができます。
塗装工事
塗装工事とは、新しい塗装を施すことで、 職場の内外装の外観 を維持し、機能性を高めるために行われる工事です。塗装を施すことにより、オフィスの印象を一新し、訪問者や顧客に良い印象を与えます。また、塗装はただ外観を維持するだけでなく、建物の素材を湿気や汚れ、その他の劣化要因から守る役割も果たします。
窓回り工事
窓まわり工事とは、ブラインドやカーテンの設置、サッシ交換、 フィルム貼付けなど、窓に関する様々な工事のことです。窓回り工事を行うことで、光熱費の削減や騒音対策に繋がります。 また、強化ガラスやセキュリティフィルムを使用することで、外部からの視線を適度に遮断し、プライバシーを保つことができます。
トイレ工事
トイレ工事 とは、改修や新設、バリアフリー化など オフィスのトイレに関する工事全般のことを指します。最新のトイレ設備や抗菌素材の導入により、衛生的で快適な環境を提供することができます。
オフィス内装工事の一般的な費用相場
オフィス全体を工事する場合
オフィス内装工事の費用は、多くの要素によって左右されます。一般的に、オフィス内装工事の費用相場は坪単価 10万円から30万円程度とされていますが、これは基本的な仕上げや標準的な設備を含んだ価格です。高級な素材や特別な設備を選ぶ場合には、さらに費用がかかることがあります。
部分的な工事の場合
部分的な内装工事の費用は、工事の範囲や素材によって変動しますが、参考となる相場は以下の通りです。
パーティション工事: 1平方メートルあたり数万円から十数万円程度
壁紙の交換: 1平方メートルあたり約1000〜3000円
照明の変更: 1箇所あたり約1万〜5万円
床材の貼り替え: 1平方メートルあたり約5000〜1万5000円
これらの価格は工事内容や地域によって異なるため、具体的な見積もりを行いましょう。
内装工事の流れ
オフィスの内装工事は計画的に行うことが大切です。オフィス全体の内装工事の場合は工事を着工する半年ほど前から準備を始めます。部分的な内装工事の場合はおおよそ3〜6カ月前から準備を始めましょう。 ここでは、内装工事の流れと時期を解説します。
計画立案
計画立案を行う時期は、着工の3〜6カ月前を目安とするのがおすすめです。 内装工事を行うときは、内装工事を行う目的を明確にする必要があります。理想的なオフィスにするため、従業員にヒアリングを行い、要望や課題点をまとめておくと良いでしょう。
業者の決定
工事の規模によって異なるものの、内装工事業者の決定と工事の依頼は、着工したい日のおおよそ2カ月〜1カ月前までには済ませておくのがおすすめです。 内装工事が依頼できる業者は、主に下記の6つが挙げられます。
- リフォーム専門業者
- ハウスメーカー
- 工務店
- 内装業者
- 設計事務所
- インテリアショップ
デザインや設計のみを行う業者や、設計から施工まで一貫して行う業者などさまざまなタイプがあります。業者を決定するときは複数の業者の移転実績・サービス内容・アフターフォローの有無などを調べて相見積もりを取り、希望に沿う適切な業者を選びましょう。
打ち合わせ・レイアウト決定
内装業者が決定したら、打ち合わせを行い、具体的なレイアウトを決めていきます。 打ち合わせでは、理想のデザインやレイアウトに仕上げてもらえるように内装工事を行う目的や要望、予算、コンセプトを詳しく伝えましょう。 希望していたレイアウトやデザインと出来上がりの食い違いは、内装工事でよくあるトラブルの一つです。デザインは「明るい」「スタイリッシュ」など抽象的な言葉で伝えるのではなく、画像やイラストを用いるとイメージが伝わりやすくなります。
工事開始
内装工事はレイアウトが決定し、契約を交わすと工事がスタートします。工期は工事内容によりますが、1〜1カ月半程度が一般的です。 施工中は業者任せにせず、定期的に現場に行きレイアウトの通りになっているか、イメージと異なるところはないか業者と一緒にチェックすることがおすすめです。工事終盤での手直しは、余計な費用や時間がかかる原因になります。
内装 工事 業者の選び方
実績
過去の実績はその業者が得意とする分野がわかります。 実績が多い業者ほど知識や経験が豊富なため、役立つアドバイスをしてくれるでしょう。 また、内装工事は消防法 や建築基準法など、法律で定められたルールを守る必要があります。 実績が少ない業者に依頼した場合、法律が守られておらず、再工事などのトラブルが発生しやすいといったリスクがあります。 事前に実績を確認し、業者ごとの特徴を把握しておきましょう。
工事費用
工事費用はできるだけ抑えたいと考える企業が多い傾向にありますが、工事費用があまりに安すぎる場合、人件費の削減などから欠陥工事のリスクや工期の遅れなどのトラブルに繋がる可能性があります。 他社よりも工事費用が大幅に安い場合は、安く行える理由を業者に確認するようにしましょう。
サービス内容
内装関係の業者には、デザインから施工までワンストップで行える業者や、設計のみを対応する業者があります。 それぞれ別の業者に依頼する場合、費用が割高になる傾向があります。 設計と施工をトータルで依頼したい場合やトータルコストを抑えたい場合は、ワンストップで対応している業者に依頼することをおすすめします。 また、業者によって強味やサービス内容が異なるため、実績や施工後の保証・アフターケアの有無などについても事前にしっかり確認し、複数業者に相見積もりを取りながら比較して選ぶようにしましょう。
実績
内装工事は、一般的に費用が大きくなりがちです。 そのため、しっかり相談に乗ってくれそうかどうかや、不明点や疑問に丁寧に答えてくれるかなど、信頼できる業者なのか判断することが大切です。 実績数や口コミなどの評価は、専門性の高さや信頼できそうかどうかの判断材料になります。 事前にホームページなどを確認し、各業者の情報を集めることで効率よく選定を行うことができます。
内装工事の費用を安くする方法
オフィス面積の見直し
内装工事にかかる費用は、坪単価に大きく影響されます。坪単価を減らすことで、全体のコストを大幅に抑えることが可能です。現在のオフィスで使用していないスペースが多い場合は、規模の小さいオフィスへの移転も考慮するとよいでしょう。
シンプルなデザイン
不必要な装飾を省くことで、コストを抑えられます。
複雑さを排除し、必要最低限の装飾で済ませることで、材料費と施工時間を短縮できます。
また、デザイン性よりも機能性を優先することで、汎用性の高いレイアウトが可能になり、変更が容易になります。
材料を賢く選び
既存の家具や中古の家具をうまく利用することで、費用を大幅に削減できます。耐久性やデザイン性を考慮しつつ、コストパフォーマンスの良い材料を選択することが大切です。
オフィスの内装工事は実績が豊富なハタラクバデザインへご相談ください。
内装工事とは、完成した建物内部で行う工事のことです。オフィスの内装工事を行い、使いやすく居心地の良い空間に仕上げることで、作業効率の向上や従業員のモチベーションアップ、対外的なイメージの向上などさまざまなメリットがあります。 内装工事を成功させるためには、工事の目的を明確にすること以外に、業者選びも重要です。 ハタラクバデザインは、大阪を拠点に創業100年の実績を持つオフィスデザインの専門業者です。テナント物件の紹介からオフィスのデザイン・レイアウト作成・内装工事・設備工事・電話工事・LAN工事・オフィス家具の設置まで、全ての工程をワンストップで対応しています。オフィスの内装工事を検討されている方は、ぜひハタラクバデザインにご相談ください。