
オフィスの壁紙・クロス張替えの費用相場は?壁紙の種類や選び方を解説。
オフィスの雰囲気を大きく左右する要素の一つがクロス(壁紙)です。適切なクロスを選ぶことで、働きやすく、モチベーションが高まる環境を作り出せます。この記事では、クロス張替えの費用の相場や種類、業者に依頼する場合の手順を詳しく解説したいと思います。
目次[非表示]
オフィスの壁紙が重要な理由
1.オフィス空間の印象を左右する
オフィスの壁紙は、来訪者に第一印象を与える重要な役割を果たします。壁紙の選び方次第で、空間がすっきりと洗練された感じになったり、逆に狭く窮屈に見えることもあります。例えば、明るい色の壁紙を選ぶことで、空間全体を広く開放的に見せることができ、来客を明るい気持ちで迎えることができます。
また、企業のブランディングにおいても、オフィスの壁紙はそのスタイルやカラーを反映し、企業のイメージを視覚的に強調できます。
2.従業員の快適さと生産性への影響
壁紙は仕事環境の快適さに大きく影響します。色彩心理学の観点から、適切な色の壁紙は従業員の気分や集中力にプラスの効果を与えます。例えば、青や緑色系の壁紙は冷静さを促し、集中力を高める効果があります。これに対して、暖色系の壁紙は創造性を刺激することが知られています。
適切な壁紙選びを行うことで、従業員はストレスなく働くことができ、全体の生産性も向上します。また、定期的に壁紙を張り替えることで、社員に新鮮な刺激を与えることも可能です。
3.メンテナンスとコストメリット
壁紙のメンテナンスは、清潔感を保つ上で重要です。汚れやすい部分には洗える素材の壁紙を選ぶことで、掃除がしやすくなり、長期間きれいな状態を維持できます。また、壁紙の耐久性も選ぶ際のポイントです。耐久性が高い壁紙は、張り替えの頻度が減り、結果的にコストの削減につながります。
さらに、適切な壁紙の選択はエネルギー効率にも影響を与えます。例えば、断熱効果のある壁紙を使用することで、空調コストを削減することが可能です。
4.安全面と環境への配慮
壁紙には安全性や環境への影響も考慮する必要があります。非揮発性有機化合物(VOC)の含有量が低い壁紙を選ぶことで、室内の空気の質を保ち、アレルギーのリスクを低減できます。特に、エコマークやF☆☆☆☆(フォースター)といった環境に配慮した製品を選ぶことが推奨されます。
このように、壁紙選びに安全性や環境への配慮を加えることは、従業員の健康と企業の社会的責任に寄与します。
オフィスの壁紙の種類
ビニールクロス

参考:東リ 環境・素材コレクション2019-2022
◆メリット:低価格な上にデザインやカラーが豊富で、手入れも比較的楽に行えます。
◆デメリット:貼り替えた部分だけが浮いてしまうなど、部分補修が困難な点です。 接着に化学物質を使うため、匂いやアレルギー反応が出る場合があり、化学物質に弱い方やアレルギー対策を。 また、時間が経つと、貼り替えた部分のみが剥がれてくることも。 通気性や調湿性が低いため、換気を行わないとカビが生えることもあります。
紙クロス

参考:東リ 環境・素材コレクション2019-2022
◆メリット:紙素材は、通気性や音を吸収するメリットがあります。 ビニール素材にはない、柔らかさや華やかさのある印象に仕上げられる特徴があり、個室などに使用するとよいです。
◆デメリット:素材が薄く張替え作業に手間がかかるため、コストが高くなりがちです。 また擦れに弱く、時間経過によって膨張・収縮する可能性があります。
布クロス(織物クロス)

参考:東リ 織物/施工イメージ
◆メリット:破れにくく頑丈で、湿度をためにくく、水に濡れても伸びにくいという性質があります。 高級感や重厚感があり、ゆったりとした雰囲気を演出してくれるため、美術館やホテルで取り入れられていることが多いです。 素材が良く、耐久性があるのでコストパフォーマンスに優れています。
◆デメリット:汚れがつくと落としにくいため、防汚加工や撥水加工などの機能がついているものをおすすめします。 ホコリが吸着しやすいので、手入れとしては、はたきをかける方法が良く、水拭きは避けたほうが無難です。
木質系クロス

参考:東リ 木質系/施工イメージ
◆メリット:木にはリラックス効果があり、スギやヒノキなどの無垢材には、調湿性や保温性、吸音性にも優れます。 年数が経つごとに趣が生まれるので、木目や風合いを楽しめます。
◆デメリット:水拭きできないことと、費用が高額になりやすいことです。
オフィスの壁紙の張替えの相場は?
使用する壁紙にもよりますが、基本的には1㎡あたり1,000~1,500円程です。 クロスの質や、張り替える面積が増えればその分高くなりますが、ほかのリフォームよりも費用はあまり高くなりにくいことが利点です。
オフィスの壁紙張り替えの目安は?
一般的には10年前後程度が張替えの目安です。 ですが、色が変わってきたり汚れが目立ってきた場合やカビが発生している、剝がれている部分があるなど気になってきた場合は年数に関わらず張り替えられることをおすすめします。
オフィスの壁紙の選び方
1.目的にあったクロスを選ぶ
オフィスの用途や目的に応じてクロスを選ぶことは非常に重要です。例えば、会議室では落ち着いた色合いやシンプルなデザインが好まれる一方で、クリエイティブな部門では鮮やかな色やユニークなデザインが適しています。オフィスの各スペースに求められる機能と雰囲気を考慮して、クロスを選ぶことが大切です。
さらに、最近では、従業員の一体感を高め、ブランドイメージを内外に発信するため企業の多くがオフィスの一部にブランドカラーを取り入れています。
2.色選び
クロスの色は、オフィスの雰囲気を大きく左右します。色にはそれぞれ心理的効果があり、慎重に選ぶことで作業効率やコミュニケーションを改善することができます。
例えば、青や緑はリラックス効果があり、集中を必要とする作業向きです。一方、赤やオレンジは活気を与えるため、ミーティングスペースに適しています。
色選びの際には、ワークスペース全体の調和を考え、過度に派手にならないように注意が必要です。色の共通テーマを持たせると、全体的な統一感が生まれます。
3.機能性を考慮した素材選び
クロスの素材は、デザインだけでなく、その機能性も考慮に入れましょう。例えば、防音効果がある素材や耐久性の高い素材は、オープンオフィスや人の出入りが多い場所に適しています。また、アレルギーを持った従業員に配慮し、VOC(揮発性有機化合物)を含まない素材を選ぶことも重要です。
さらには、メンテナンスのしやすさも考慮する必要があります。汚れがつきにくく、簡単に清掃できる素材は、多くの人が利用するオフィスにとって大変有用です。
4.トレンドを反映したデザイン選び
オフィスのクロス選びにおいて、トレンドを抑えたデザインは、モダンでスタイリッシュな印象を与えます。近年のトレンドとしては、自然素材を模したデザインや、エコフレンドリーな製品が人気です。これらのデザインは、視覚的に心地よいだけでなく、サステナビリティを意識した企業姿勢をアピールするツールともなります。
トレンドを追いつつも、社風や企業のアイデンティティに合ったデザインを選ぶことが成功の鍵となります。
5.コストと予算のバランス
最後に、オフィスのクロス選びで重要なのがコストと予算のバランスです。予算を超えた豪華な選択をしてしまうと、他に割ける費用が減る可能性があります。逆に、あまりに安価な選択をしてしまい、品質を妥協すると、早期の劣化により追加コストが発生する可能性もあります。
予算内で最高の結果を得るためには、プロのアドバイザーに相談することも視野に入れましょう。長期的な視点で投資対効果を考えた選択が重要です。
オフィスの壁紙の張り替えを業者に依頼する場合の手順
1.現状の確認とニーズの洗い出し
まず初めに、業者に具体的な要望を伝えるため オフィスの壁紙を張り替える目的を明確にし、どの部分の壁紙をどのように変えたいかを検討しましょう。現状の壁紙の状態や、どれくらいの面積を張り替えるのかも確認し、全体的なイメージを固め、素材やデザイン、色合いについても事前に考えておくとよいでしょう。これらの要件をリストアップすることで、業者との打ち合わせもスムーズに進められます。
2.業者の選定と見積もりの取得
次に、信頼できる業者を選定します。インターネットでの検索や口コミ、過去の施工実績などを参考に、複数の業者から見積もりを取得します。価格だけでなく、施工スケジュールやサービスの内容、保証期間なども比較検討することが重要です。
また、可能であれば、実際に業者のオフィスを訪れて過去の施工例を見学したり、具体的な相談を行ったりして、信頼感を確認しましょう。
3.業者との契約とスケジュール調整
業者が決まったら、具体的な契約内容を確認し、契約を結びます。この際、施工の日程、費用、支払い条件などをしっかりと確認しましょう。特に施工スケジュールは、オフィスの運営に支障が出ないよう調整が必要です。
休業日や営業時間外に施工を行うなどの対応が可能か、業者に確認しておきましょう。
4.施工準備と当日の対応
施工の日が近づいたら、オフィス内の準備を行います。施工箇所の周辺を整理し、家具や備品を移動するなど、安全でスムーズな施工が行われるように環境を整えておくとスムーズです。
施工当日は、必要に応じて立ち会い、何か問題があればすぐに対応できるようにしておきましょう。特に色味や仕上がりがイメージと異なる場合は、早めに業者に伝えて対策を講じてもらいましょう。
5.施工完了後の確認
施工が完了したら、仕上がりを確認しましょう。壁紙の剥がれや気泡、色の不一致がないか細かくチェックし、問題が確認された場合は、すぐに業者に連絡して修正を依頼しましょう。
オフィスの壁紙のイメージ
●ビニールクロスイメージ

●紙クロスイメージ

●布クロス(織物クロス)イメージ

●木質系クロスイメージ

参考:東リ 木質系/施工イメージ
壁紙以外で仕上げる方法

左官
オフィスの壁にはクロス貼りで施工することが多いですが、左官で仕上げる方法などもあります。 左官は、土やモルタル、プラスタ、漆喰などの壁材を、コテを使って塗り仕上げます。
【左官で仕上げるメリット】
◆左官でしか出せない立体感や表情 職人が手作業で行うため、仕上げ方で表情がかわります。 また、自由にデザインできるため、様々な表情の壁を創ることができます。 特に立体感は他の壁材では出せないため、左官ならではの魅力を出せます。
◆調質性や防火性、保湿・断熱効果など機能性が高い 原料に石灰や珪藻土、火山灰を使用しているため、機能性が高く、また天然の素材なので、身体にも安全です。 火災や気温の変化などにも強く、調湿性があるため、カビやダニを防ぐ効果もあります。
【デメリット】
◆費用が高い すべて手作業のため、費用は高額になりがちです。 そのため、すべての壁を左官で仕上げるのではなく、エントランスなど特にデザインにこだわりたい場所に取り入れることをおすすめします。
◆技術が必要 全て手作業のため、職人の技量次第で出来栄えが変わります。 職人の技量不足で厚みが均一でない場合、薄くなっている箇所に負荷がかかるため、ひび割れ等の弊害が起こりやすくなってしまいます。 そのため、依頼する場合は事前にホームページなどで実績や事例を確認しておきましょう。
◆工期が長い 一般的に左官は、乾燥させながら下塗り、中塗り、上塗りと塗壁を3回行うため、他の工事と比べ施工期間が長くなってしまいます。 左官を依頼する場合にはできるたけ早めに依頼するなど、余裕をもって計画を立てましょう。
まとめ
大がかりな工事をせずにオフィスの雰囲気を大きく変えられるのが壁紙の大きな特徴です。 また、1㎡あたり1000円前後とコストパフォーマンスにも優れています。 オフィスのイメージチェンジを検討しているのであれば、レイアウトや内装と共に壁紙選びにも注目し、おしゃれなオフィスを目指されてみてはいかがでしょうか。 オフィスデザインからレイアウト、移転までお手伝いするハタラクバデザインでは、豊富な知識と実績を活かし、一つひとつの企業の働き方にぴったりのオフィスデザインを提案いたします。 オフィスのデザイン・レイアウト作成だけでなく、テナント物件のご紹介から内装工事を含む各種工事、オフィス家具の設置にいたるまで、ワンストップで実施できるところが強みです。 自社の働き方やコンセプトに合ったオフィスをお探しの方や、既存のオフィスに課題を感じている方は、ハタラクバデザインへお気軽にご相談ください。 TEL:06-6268-2770