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オフィスデザインのレイアウト・内装工事に関するブログ
更新日:2024/05/31
SDGsとは、2030年までに先進国が取り組む持続可能な開発目標のことです。働き方や健康、エネルギーなど全部で17の目標があります。企業はオフィスをつくるうえでSDGsを意識しなければなりません。
しかし、具体的にどのように取り組めばよいのか悩む担当者もいるのではないでしょうか。
本記事では、オフィスづくりにSDGsを取り入れる方法について解説します。達成できる目標や具体的な取り組み方も紹介しますので、ぜひ参考になさってください。
目次
SDGsは「Sustainable Development Goals(サスティナブルデベロップメントゴール)」の略称です。日本語では「持続可能な開発目標」を意味しています。
SDGsには2030年までに達成するために掲げられた以下の17の目標があります。
▲出典:外務省「SDGグローバル指標(SDG Indicators)」
これら17の目標を達成するには、一人ひとりがSDGsについて正しく理解したうえで、自分事として捉えて意識や行動を変えていかなければなりません。
企業は利益を得ることが重視されます。しかし、利益ばかりではなく、自社が地域や社会に与える影響に責任を持ち、関係者と信頼関係を築かなければなりません。企業がSDGsに取り組むことで、企業の社会的責任(CSR)につながっていくのです。
企業がSDGsに取り組むことは、社会的責任を果たすだけではありません。以下の5つのメリットがあります。それぞれ簡単に解説しましょう。
企業がSDGsに取り組むことで、社内外からの評価が高まるメリットがあります。そもそもSDGsは社会全体の目標です。そのため、企業が積極的に取り組むことで、社会的な問題を自分事として捉えて解決に取り組んでいると、高い評価を得られるのです。
さらにSDGsの持続可能な取り組みは、長期間続きます。そのため、長期的に高い評価を得られることが期待できるのです。企業の評価は従業員の自信につながり、エンゲージメント向上にもつながります。
労働人口の減少により、人手不足の解消は急務です。どの業界でも多くの企業が人材の採用に難航しています。SDGsに取り組むことで、世界水準の目標に積極的に取り組んでいる企業として、求職者の興味を引きつけるメリットがあります。
実際に、就活生の約7割が企業のSDGsへの取り組みを意識しているというデータがあります。求める人材からの応募がないなど、採用活動が低迷しているならSDGsに取り組んでみてもよいかもしれません。
厚生労働省が2023年10月にまとめた調査によると、新卒者の約3割が早期離職しているというデータが公表されました。※労働人口が減少するなかでどの業界も人手不足が加速しています。また採用活動はそれなりのコストもかかるため、せっかく採用した人材が離職してしまうのはどうしても避けたいところです。
SDGsに取り組むことで、離職率の低下を止めて改善できるなら、ほかのメリットともあわせて大きな相乗効果だといえるでしょう。
※厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します」
BCP(Business Continuity Plan)は、災害や緊急事態が起きても事業を継続または早期回復を図るための計画のことです。日本語では「事業継続計画」といいます。日本は自然災害が多いため、企業のBCP対策は必須です。
SDGsの「目標11:住み続けられるまちづくりを」のなかに、以下の指標が掲げられています。
2030年までに、貧困層及び脆弱な立場にある人々の保護に焦点をあてながら、水関連災害などの災害による死者や被災者数を大幅に削減し、世界の国内総生産比で直接的経済損失を大幅に減らす
企業がSDGsに取り組むことで、従業員の働く環境の安全性の向上や資源の有効利用など、事業の継続性を高めることが可能です。
このようにSDGsへの取り組みは、ニューノーマル時代の経営戦略に欠かせないものとなっています。
関連記事:BCP対策とは?|概要・進め方から身近なオフィスでできる内容まで徹底解説
SDGsへ取り組むことは、新規事業を開拓しやすいメリットがあります。まずSDGsそのものが新たな取り組みです。多くの企業や組織と関わりを持ち、協力して進めるケースも少なくありません。
多くのステークホルダーと共同で事業を創出できれば、リスクを最小限に抑えられます。従来の方法では解決できなかった課題も、複数の企業で考えることで解決できるかもしれません。
新規事業を生み出すには、多くのアイデアが必要です。こうした取り組みにより革新的なアイデアが生まれ、市場で優位に立つことができます。
企業がSDGsを取り入れるには、取り組みやすい目標からスタートするのがコツです。SDGsの目標のうち。オフィスに関連する目標をもとにSDGsを取り入れる方法を解説します。
オフィスのペーパーレス化の必要性は広く認識されているものの、なかなか浸透していません。「令和2年情報通信白書」によると、社内ペーパーレス化に3年以上前から取り組む企業は42.4%となっています。
ペーパーレス化で達成できる目標は以下の通りです。
<達成できる目標>
目標8:働きがいも経済成長も
目標12:つくる責任 つかう責任
目標13:気候変動に具体的な対策を
目標15:陸の豊かさも守ろう
具体的な取り組みを見てみましょう。
<具体的な取り組み>
・クラウドツールの導入
・Web会議システムの導入
デジタルツールやシステムの導入により、ペーパーレス化を促進できます。これにより、森林資源の保護と廃棄物削減の実現につなげることが可能です。
白石工業株式会社様・白石カルシウム株式会社様事例
ペーパーレス導入のメリットと効果を解説
オフィスの照明や空調管理システムを適切な方法で使用することで、電力消費量を抑えることができます。
達成できる目標は以下の通りです。
<達成できる目標>
目標7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに
SDGsの目標を達成するには、オフィスで使う電力消費量を従業員に認識してもらう必要があります。
<具体的な取り組み>
・照明をすべてLED化する
・モニタリングシステムで電力消費量を可視化する
一般的な蛍光灯の寿命は長くても1万2,000時間、対してLEDは3万時間です。価格は一般的な蛍光灯よりも高価ですが、長寿命であることを踏まえるとコストを抑えられるというわけです。
照明の交換以外に、電力消費量やそれにもとづく温室効果ガス排出量(CO2排出量)を可視化するシステムを導入する方法もあります。
従業員の目に触れる場所に表示しておくことで省エネを促すことが可能です。
オフィス照明をLED化するメリットと注意点とは?選び方のポイントも解説
オフィス空調の重要性とは?温湿度にムラが出る場合の原因と対策も紹介
照明の交換や電力の消費量を可視化するといった努力でも、削減できない部分をほかの活動で埋め合わせをする方法を「カーボン・オフセット」といいます。
システムなどで温室効果ガス排出量を把握したら、相当するカーボンクレジットを購入するためにプロジェクトを選びます。参加したプロジェクトを社内で共有することで企業が環境保全に貢献しているアピールが可能です。
再生可能な資源で作られたオフィス家具を使用することで、持続可能な社会づくりに貢献していることをアピールできます。
<達成できる目標> 目標12:つくる責任つかう責任 目標14:海の豊かさを守ろう 目標15:陸の豊かさも守ろう |
SDGsへの取り組みとして、オフィスの木質化が推奨されています。木材のもつぬくもりなど見た目の質感だけではなく、森林循環の促進にもつながるためです。ほかにも環境にやさしい製品を選ぶことで、SDGsの目標を達成できます。
<具体的な取り組み> ・再生プラスチックを使用した家具の導入 ・木製デスクやパーティションの設置 ・光触媒グリーンを導入する |
オフィス家具なら大きなコストはかかりません。木製でなくても、海洋プラスチックをリサイクルして作られたサステナブル家具もおすすめです。
【オフィスデザイン事例】グリーンを基調とした人気のデザインや事例をご紹介
健康経営を意識した働き方改革の推進
人手不足が叫ばれるなかで従業員の健康は生産性に大きな影響を与えます。SDGsの導入をきっかけに健康経営の実現を目指し、働き方改革に取り組んでみてもよいでしょう。
<達成できる目標> 目標3:すべての人に健康と福祉を 目標8:働きがいも経済成長も |
健康経営に取り組むことで、従業員が早期に自身の不調に気が付き、ケアをおこなうことができます。具体的な取り組みは以下の通りです。
<具体的な取り組み> ・従業員専用のジムを設置する ・トレーニングアイテムの設置 ・運動系部活動の推進 |
従業員の健康を気遣う企業は社内外からの信用度が高まります。従業員一人ひとりが健康に取り組むことで、組織力の強化や生産性の向上も期待できるのです。
オフィスづくりをきっかけにさまざまな相乗効果が期待できます。
日本は自然災害が多いため、企業で一丸となり防災対策に取り組まなければなりません。オフィスづくりをきっかけに防災対策を見直してみましょう。
<達成できる目標> 目標11:住み続けられるまちづくりを 目標13:気候変動に具体的な対策を |
地震や水害など防災対策をとることで、SDGsの「ターゲット11.5」の「死者や被災者数」「直接的経済損失」の削減を果たすことが可能です。具体的な取り組みを見てみましょう。
<具体的な取り組み> ・オフィス機器の固定 ・避難経路の確保 ・防災用品の整備 ・防災訓練の実施 ・地域との連携 |
企業防災はBGP対策の一環として重要です。取り組むときは企業単独でおこなうのではなく、自治体や地域と連携して取り組むことで地域貢献につながります。
全従業員を対象に防災訓練を定期的に実施しましょう。オフィス周辺のハザードマップを共有して、適切に避難できるようにふだんから周知しておくことが大切です。従業員用の災害用備蓄も用意してください。
オフィスではさまざまな人が働いています。すべての人が快適に働けるオフィスをつくるにはユニバーサルデザインの導入が必要です。
<達成できる目標> 目標10:人や国の不平等をなくそう 目標11:住み続けられるまちづくりを |
ユニバーサルデザインとは「誰もが使えるデザイン」のこと。SDGsと共通した理念があり、性別や年齢などを問わず、すべての人が使いやすいようにデザインされた製品やサービスを指しています。
具体的な取り組みは以下の通りです。
<具体的な取り組み> ・デジタルサイネージの設置 ・休憩スペースの設置 ・フレキシブルなワークスペース ・さまざまな働き方に対応したアイテムの導入 |
すぐに取り入れやすいのは、レイアウトの変更でしょう。もし内装のリフォームが可能なら、プロジェクトの段階からアクセシビリティ※を見直してレイアウトを検討する方法もあります。
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WEFが毎年公表しているジェンダー・ギャップ指数(男女格差指数)によると、日本は146か国中125位※とわかりました。女性が活躍できるオフィス環境をつくることで、SDGsの以下の目標を達成できます。
<達成できる目標> 目標5:ジェンダー平等を実現しよう 目標8:働きがいも経済成長も |
多くの企業が取り組んでいるのが、女性が活躍できる職場環境の整備です。具体的には以下のような取り組みがあります。
<具体的な取り組み> ・評価体制を見直す ・育児休暇の取得を推進 ・ダイバーシティ推進 |
「女性だから時短でいいだろう」「女性だからこの仕事でいいだろう」といった性別による思い込みを「アンコンシャス・バイアス」といいます。アンコンシャス・バイアスを排除し、適正な評価体制を整備することで本当の意味での女性が活躍できる職場環境をつくることが可能です。
女性が取得するイメージが強い育児休暇は、男性が取得しやすい環境を整える必要があります。オフィスでダイバーシティを推進することで、従業員の満足度が向上し、定着率のアップも期待できます。
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★※内閣府 男女共同参画局「GGI ジェンダー・ギャップ指数」
多様な働き方の推進もSDGsの取り組みとして評価されます。しかし従来のオフィスレイアウトでは、柔軟な働き方を実現することはできません。
<達成できる目標> 目標8:働きがいも経済成長も |
多様な働き方を実現するには、オフィスレイアウトの変更が不可欠です。フレキシブルなワークスペースを設計して、従業員の満足度を高めるオフィスをデザインしましょう。
<具体的な取り組み> ・観葉植物などの設置 ・休憩室や仮眠室の設置 |
レイアウト変更時に休憩室や仮眠室を作ることも、SDGsの目標達成に欠かせません。リラックスして働けるように、観葉植物などを設置してもよいでしょう。
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オフィスづくりにSDGsを取り入れたくても、職場環境によっては難しいケースもあります。まずはできることから取り組むことが大切です。ここでは、導入のポイントについて解説します。
SDGsを取り入れるには、新たな設備の導入や内装のリノベーションなど大きなコストがかかるケースも少なくありません。いきなり導入が難しいときは、できることから取り組むことが大切です。
SDGsを企業文化として定着させるには、オフィスで働く従業員一人ひとりの意識改革や習慣づけが必要です。主体的に取り組んでもらえるように、推進プロジェクトを立ち上げて、チームで進めていく方法もあります。
従業員に主体的に取り組んでもらうには、ふだんから意識してもらうことが大切です。SDGsの専門家を呼んで、セミナーを開催したり研修を実施したりと、SDGsを学ぶ機会を積極的に提供しましょう。
オフィスづくりにSDGsを取り入れたあとは、企業文化として定着するために効果検証をおこなうことが大切です。オフィスのSDGs施策に役立つ評価指標を3つご紹介します。
『WELL認証』とは、オフィス環境が人々の健康や福祉にどれだけ配慮しているのかを評価する認証システムです。空気、水、栄養、光、運動、温熱快適性、音、材料、こころ、コミュニティの10の評価項目があります。それぞれの項目への取り組みがSDGsへの取り組みとつながるのです。
WELL認証取得に取り組むことで、SDGsの目標達成にもつながります。
WELL認証とは?評価項目や認証取得までの流れ|オフィス空間から考える健康経営
『CASBEE(建築環境総合性能評価システム)』は、建築物などの環境性能を多角的な視点で評価するツールです。この認証制度はオフィスの建築主または所有者が申請できます。
認証タイプは「CASBEEウェルネスオフィス認証(タイプ1)」または「CASBEEスマートウェルネスオフィス(タイプ2)※要件あり」の選択が可能です。
評価ソフトは、研究開発をおこなっている一般社団法人日本サステナブル建築協会のホームページよりダウンロードできます。
『DBJ Green Building認証』とは「環境・社会への配慮」がなされた不動産と不動産を所有・運営する事業者を対象とする認証制度です。環境性能や防災、コミュニティへの配慮などを総合的に評価し、5段階の星が付与されます。
オフィスビルの評価となるため、オフィス移転を検討する際に認証を取得しているビルを選ぶことでSDGsへの取り組みにつながります。
企業はSDGsに取り組むことで、社内外からの評価が高まるだけではなく、防災や事業開拓などさまざまなメリットが得られます。オフィスをつくるうえでSDGsを取り入れるには、さまざまなシステムやツールの導入、設備の刷新などが必要です。
多くのリソースが必要となるため、まずはできることから取り組むことを検討しましょう。オフィスレイアウトの変更なら、ハタラクバデザインがお力になれます。創業100年以上、オフィスづくりに携わってきました。これまで培ってきたノウハウをもとに、お客様が理想とするオフィスのご提案が可能です。
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