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更新日:2024/03/14

WELL認証とは?評価項目や認証取得までの流れ|オフィス空間から考える健康経営

WELL認証とは

WELL認証とは、建物・オフィスの健康を人間の視点で評価したものです。空気や水、光といった評価項目を評価するもので、労働環境の可視化につながります。従業員の満足度が高いオフィス空間を作ることは、生産性や企業価値、採用力の向上など多くのメリットがあることから、取得する企業も年々増加しています。

この記事では、WELL認証の評価項目や認証取得の流れについてまとめました。従業員の健康に配慮したオフィス空間づくりに、ぜひお役立てください。

WELL認証とは、オフィス空間を人間の健康の視点で評価するものです。米国のDelos社が開発したもので現在、海外企業を中心に世界中で認証登録が進んでいます。

現在、認証を受けている国別グラフは以下のとおりです。

出典:GREEN BUILDING JAPAN「世界の認証件数 国別グラフ(認証・予備認証)」

中国やアメリカと比べると日本の認証数は少ないですが、以下のように登録・認証件数は増加傾向にあります。

出典:GREEN BUILDING JAPAN「日本の登録・認証件数 年別グラフ(年別の累計登録数・累計認証数)」

増加傾向にある理由として、国が推奨している「健康経営」の取り組みが挙げられます。2015年より健康経営優良法人認定制度が始まったことで「健康経営」が大きく注目を浴びました。
【Well-being(ウェルビーイング)】会社の業績は社員の幸福度によって決まる!企業が取り組むべきこととは?

健康経営が注目を浴びている背景

なぜこれほどまでに「健康経営」が注目を浴びているかというと、少子高齢化による生産年齢人口の減少があげられます。労働人口の減少は今後も加速するといわれており、業務効率や企業存続にも大きな影響を及ぼすおそれがあるのです。

従業員一人ひとりが少しでも長く健康で働けるように、企業が率先して従業員のための環境づくりに取り組まなければなりません。WELL認証は、従業員が快適に働くための労働環境の提供を推奨していることから、取得に向けた取り組みは健康経営の実践にもつながっています。

WELL認証を取得するメリット

WELL認証を取得すると以下のようなメリットがあります。

従業員の健康への配慮
企業価値の向上
採用力の強化

それぞれかんたんに解説します。

メリット1. 従業員の健康への配慮

WELL認証の取得により、従業員の仕事に対するモチベーションやパフォーマンスが向上するというメリットがあります。

具体的には、オフィスビル内にフィットネスジムを設置したり、健康に関する動画を配信したりといった取り組みです。従業員の健康を最優先に考えた空間を作ることで、労働環境に対する満足度の向上が期待されます。

メリット2. 企業価値の向上

WELL認証は評価項目によって種類があり、オフィス空間を評価する認証は「WELL v2」です。空気質や水質、光、音、温熱快適性など建物の性能に関する項目以外に、こころやコミュニティといった人間への影響に関する項目があります。

WELL認証取得により、企業の持続可能性や社会的信頼性の向上につなげることが可能です。こうした取り組みを社内外へ発信することで、企業のブランド価値を向上させ、従業員や顧客に対して良いイメージを与えることができます。

メリット3. 採用力の強化

健康的な職場環境を作ることやWELL認証を取得することは、優れた従業員を引き寄せる競争力の向上が可能です。従業員の健康増進に取り組んでいる企業は、社外からもよいイメージがあるため、多くの求職者の興味を引くことは間違いありません。

また、優秀な人材は労働と賃金に大きな差がなければ、自分が働きやすい環境を選ぶ人もいます。WELL認証は福利厚生の内容も評価の対象となるケースもあり、認証取得により採用力の強化できるメリットがあります。

WELL認証におけるオフィスの評価項目

WELL認証を取得するには、10のコンセプトに関してクリアすべき「必須項目(Precondition)」と、レベルに影響する「加点項目(Optimization)」の評価項目(Features)があります。

出典:GREEN BUILDING JAPAN「WELL v2 認証システム」

各項目にはパートとして要件があり、それぞれの取得点数を合計して認証レベルが決められます。各分野の評価項目についてかんたんに解説します。

1. 空気|AIR


「空気」の分野は、オフィス環境の空気質の維持が必須とされています。そのため、換気や禁煙環境の確保が重視されているのが特徴です。さらに開閉可能な窓の設置など換気への取り組みが評価されます。
【オフィスの空気環境が大切な理由。】汚れた空気のオフィスで働く社員は生産性が低い?

2. 水|Water

「水」の分野では、飲料水の水質など基本的な水質管理が評価されます。水分を摂取するように促したり、湿気を適切に管理したりといった取り組みが加点対象となります。

3. 食物|Nourishment

「食物」では従業員の健康を管理するため、栄養バランスの取れた食事の提供などが評価されます。地元食材の使用などは加点の対象です。取り組み事例としては、社員食堂の導入や置型社食の設置があげられます。

4. 光|light


「光」では、人間の生体リズム「サーカディアンリズム」に配慮した照明の最適化が評価されます。日中に適切な昼光を目に入れ、夕方以降は照明を落とすといったリズムに配慮した環境をつくることが大切です。
自然光が入る大きな窓の設置や時間帯で照明の明るさを変えるといった取り組み事例があります。
【照明でおしゃれな空間を演出】照明を選ぶ際に重要な3つのポイント

5. 運動|Movement

「運動」に関する取り組みとしては、建物内に階段を取り入れたり、モニターアームやスタンディングデスクを導入したりといった例があります。ほかには福利厚生として従業員専用のフィットネスジムの導入などもあげられます。
座りすぎの危険性とスタンディングデスクの効果

6. 温熱快適性|TerminalComfort


「温熱快適性」の分野では、建物内の適切な温度管理が評価されます。季節や地域によって異なる適切な室温に調整し、室内外の温度差が大きくなりすぎないように対策がとられているかも重要です。そのため、温度のゾーニングや冷暖房システムの効率性などが評価されます。
オフィス空調の重要性とは?温湿度にムラが出る場合の原因と対策も紹介

7. 音|Sound

「音」の分野ではオフィス内外の環境音や振動など、従業員の健康に与える影響が評価されます。執務室や個室、リラックススペース、談話室など目的にあわせて適切な音環境を構築することが大切です。音漏れ対策にはパーテーションの設置なども効果があります。
【会議室の防音対策】音漏れの原因や造作壁とパーテーションの遮音性の違いなど

8. 材料|Materials

「材料」はオフィス空間をつくる建材や、日々扱う業務用品などに関する評価項目です。建材については内装のリフォームなどで実現できます。業務用品に関しては適切な排出管理に取り組んでいる企業もありました。環境に配慮されたオフィス家具の利用やペーパーレス化などSDGsに関する取り組みも、WELL認証取得に役立ちます。

9. こころ|Mind

「こころ」の分野では、文字通り従業員の心を大切にしたメンタル・ヘルスケアプログラムの導入などが加点項目となっています。観葉植物などを多く取り入れたり、集中して作業に取り組める個室空間を設置したりといった取り組み事例もあります。

10. コミュニティ|Community

「コミュニティ」に関する取り組みは、従業員個人に向けた支援が評価対象となります。従業員一人ひとりの個性やライフステージの変化に対応した環境づくりとして、授乳室やジェンダーレストイレ、企業内託児所などの施設・設備を設置する取り組み事例があります。

WELL認証取得までの流れ

WELLv2の認証を取得する流れは以下のとおりです。

事前調査
登録
書類審査
現地検証
認証
認証の保持と向上

それぞれかんたんに解説します。

1. 事前調査

まずは自社で事前調査を実施します。評価ツールを使用して自己評価を行い、基本的な要件を理解します。これによりWELL認証のプロセスへの準備が整います。

2. 登録

WELL認証の認証運営機関IWBI(International Well Building Institute)へ登録します。テナントビルに入居しているときはビルのオーナーではなく、各テナント側が個別に登録・認証を受けることが可能です。

3. 書類審査

登録が完了し、必要書類を提出したらWELLプログラムの審査が始まります。これには専門の審査員が企業の提出した文書や情報を審査し、基準に適合しているかどうかを評価するものです。提出後、回答を得るまで20~25日ほどかかります。

4. 現地検証

書類審査通過後、現地審査が行われます。評価項目のチェックを実施し、測定やサンプリングを行います。調査結果がでるのは40~45日後です。

5. 認証

現地調査が終了したら、結果に応じて点数を出して最終的な認証レベルが決まります。認証レベルは「Bronze」「Silver」「Gold」「Platinum」の4つがあり、それぞれ取得点数の基準が設けられています。
Platinum:80ポイント
Gold:60ポイント
Silver:50ポイント
Bronze:40ポイント
企業がWELL基準に適合していることが確認されると、WELL認証が授与されます。これにより企業は公に認められた健康的で持続可能な環境を提供していると認識されるわけです。

6. 認証の保持と向上

WELL認証は取得後、下記項目の年次報告を行わなければなりません。

占有率調査の結果
メンテナンスの証拠:具体的な取り組み
環境パラメータの継続的な監視:空気質や水質など

またWELL認証は3年の有効期限があり、継続するには再度認定を受ける必要があります。再認定の申請を忘れていたり、認定を受けられなかったときは失効となるため、取得後も継続して取り組むことが大切です。

快適なオフィス空間を作るならハタラクデザインにおまかせください

従業員の健康増進に取り組むことで、企業の成長につなげることが可能です。WELL認証はウェルビーイングの実現にも欠かせないもので、企業価値の向上や採用力の強化などのメリットがあります。

ハタラクバデザインは、創業から100年以上培ってきたオフィスづくりのノウハウをもとにお客様のご要望に沿ったオフィスデザインの提案が可能です。ウェルビーイングにつながる未来の働き方のデザインに取り組んでいます。

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この記事の監修者

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