
オフィスのレイアウト変更を業者に依頼する場合の費用や手順
テレワークの導入やテクノロジーを駆使した業務が増え、コミュニケーションが希薄になったと感じる企業が増えたことから、オフィスの見直しを検討する企業が増えました。 また、最近では人材獲得競争の激化から、個性的で利便性のあるオフィスにしたいと考える経営者が増え、これまでよりもより企業の色を表現できるデザインを希望する傾向が強まりました。 オフィスレイアウトを変更する場合、業者の決め方やスケジュールの作成はどのようにすればよいのでしょうか? この記事では、業者の決め方や費用の相場、レイアウト変更の手順について解説したいと思います。
オフィスのレイアウト変更にかかる一般的な費用
レイアウト変更にかかる費用項目
◆レイアウト設計(デザイン費) 新たなレイアウトのデザインを依頼する場合、デザイン費用が発生します。 一般的な相場は20~50万円程度ですが、初回のデザインを無料で対応してくれる業者やこの中に内装工事費を含んでいる場合もあるため、依頼する業者によって大きく変わります。
◆内装工事 内装工事にかかる費用は1坪30〜50万円程になります。 主な費用項目は下記になります。
【床工事】
OAフロア設置やタイルカーペット張替えなど床に関する工事を行います。 配線を収納したい場合や劣化したタイルカーペットを張り替えたい場合、雰囲気を変えたい場合などに必要な工事です。
関連記事:OAフロアとは?施工する場合の耐荷重や種類をご紹介致します。
【パーテーション工事】
オフィスに間仕切りをつくる工事です。 パーテーションを別の場所に移設したい場合や、新たに会議室を設置する場合、撤去したい場合に必要な工事になります。
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【家具の移動・組み立て】
レイアウトの変更には配置変更に伴うオフィス家具の移動が必要です。 新規什器を購入された場合には組み立てや搬入、据付けといった作業が必要になります。 また、オフィス家具を新しく購入された場合、家具の転倒防止対策も必要になるため、転倒防止工事に対応できる業者に依頼することをおすすめします。
◆通信工事 電気通信工事にかかる費用は5~20万円/坪程度が相場です。 設置する数やオフィスの広さによって変わります。 主な費用項目は下記になります。
【電話工事】
・主装置設工事 内線と外線を切り替える装置の設置工事です。 電話機を増設する場合は主装置を変更しなければならないため、費用が発生します。
・電話移設工事 電話機を移動する場合に発生する工事です。 配線移動や配線ごとの設定を行います。
【LAN工事】
LAN配線の整理やLAN配線の増設、無線LANへの切り替え等を行う工事です。 無線LANを新たに設置する場合は、無線LANルーターを設置する必要があるため、別途設置費用がかります。
関連記事:オフィスでLAN工事が必要になった場合の注意点とは?費用や業者の選び方についても解説します。
◆什器廃棄・家具購入費 新しい家具の購入が必要な場合や不要な家具を廃棄する場合にも費用がかかります。 既存の家具をそのまま使用する場合は費用は発生しません。
◆梱包費 書類や書籍、デスク周りの小物等は梱包が必要なため、梱包資材費用も必要です。 梱包費も、必要な量によって費用が変わってきますが、梱包材1つあたりの費用相場は500円~1,000円です。
◆空調設備工事 空調設備の形状やエアコンの性能により大きく変動しますが、おおよそ25万~100万円程度です。 設置する場所や追加工事が必要な場合は別途費用が発生します。
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自社でオフィスのレイアウト変更は行えるのか?
家具や什器の配置変更のみの場合は、自社行うことも可能です。 しかし、会議室や個室の増設、造作壁の撤去・増設など、工事が必要になるものに関しては、建築基準法や消防法など専門的な知識や技術が必要になるため、専門の業者に依頼することをおすすめします。
オフィスのレイアウト変更の流れ
課題を洗い出す
まずは社員の意見を集め、現状のレイアウトの課題を洗い出しましょう。 社員全員にWEBアンケートを実施することで効率よく意見を収集できます。 課題が洗いだせたら、各スペースの利用率や社員の意見を基に、追加するスペースや無くすスペースを決定していきましょう。 WEB会議が多い場合は個別ブースを増設する、テレワークの活用等で出社する人数が減っている場合は執務スペースの座席数を減らすなど、今の自社の働き方にあったレイアウトは何かを考えることが大切です。
目的・コンセプトの決定
課題が洗い出せたら、次はレイアウト変更を行う目的や、どのようなオフィスにしたいかを決めていきましょう。 計画がぶれてしまわないよう、レイアウト変更の目的を明確にし、プロジェクトメンバーに共有することが大切です。、 よい案が浮かばない場合は、他社の事例やオフィスデザイン会社のライブオフィス見学などを利用し、様々なオフィスを参考にしながら決めていくとよいでしょう。
業者選定
どのようにレイアウト変更を行いたいのか決定したら、依頼する業者を検討しましょう。 手間やコストをできるだけ抑えたい場合は、必要な工程を一括で依頼できるワンストップサービスを利用することをおすすめします。 複数の業者を一括して手配できるため、プロジェクトメンバーの負担の軽減やコストの削減など効率よくレイアウト変更を行えます。 また、業者の選定は、実績やデザイン力、費用などをホームページの確認や見積もり依頼を行い、複数業者から比較検討するようにしましょう。
オフィスレイアウト・スケジュールを決定
業者が決定したら、打ち合わせを行いながらレイアウトやデザインを決定し、スケジュールを立てましょう。 施工中は通常通りにオフィスが使えなくなるため、業務に支障が起こらないよう、同時に社内告知も行っておきましょう。 工事規模が大きくなる場合は、一時的な移転が必要になる可能性もあります。 計画の変更やズレに対応できるよう、余裕を持たせてスケジュールを作成しましょう。
レイアウト変更実施
スケジュールの作成ができれば、工事を開始しましょう。 施工工事が必要な場合は、計画通りに進んでいるか確認し、問題があれば修正依頼しましょう。 また、レイアウト変更後も、社員にヒアリングを行い、変更前の課題解決ができているかや、使いづらい部分がないか確認しましょう。
オフィスのレイアウト変更をする場合の業者の選び方

レイアウト変更の業者を選定する場合は、下記の項目を比較・検討するとよいでしょう。
対応力
しっかりとヒアリングを行ってもらえるか確認しましょう。 相見積もりの際に、不明な点や費用面などの説明を行ってもらえるかや、課題解決や希望を取り入れた提案を行ってもらえるかといった点を確認しておきましょう。
サービス内容
できるだけ手間や費用を抑えたい場合には、デザインの作成だけでなく、工事やレイアウト変更後のアフターフォローなど、すべて対応できる業者がおすすめです。 内装業者の中には、レイアウト設計や不要になった家具の回収を行っていない場合があります。 企業のホームページや事前に問い合わせて、サービスの範囲を確認しておきましょう。
実績
各業者のホームページを確認し、過去の実績を確認することで、どのようなデザインを得意とするのかや、安心して任せられるか等の判断を行うとよいでしょう。 また、自社と近い業種の事例や実績が豊富な業者なのかを事前に直接質問してみることもおすすめです。 業種や課題、規模など、自社と企業の特徴が似ている実績が多いほど、より適切な提案を受けられる可能性があります。
オフィスレイアウトを変更する前にまとめておきたいポイント
課題点や目的を明確にする
レイアウトの変更を検討する場合、まず明確にしておきたいのが現状の課題点と目的です。 例えば、「動線を改善したい」や「社員同士のコミュニケーションを円滑にしたい」、「業務遂行に最適なレイアウトに変更したい」などです。 現状のレイアウトよりも効率的で快適なオフィス空間をつくるには、できるだけ具体的に洗い出していくことが大切です。 自社にとっての最適なレイアウトは、企業がどのよう働き方をしたいかで変わります。 現状の課題を洗い出し、今後どのような働き方を目指したいのか確認し、まとめておきましょう。
従業員のニーズを考慮する
従業員のニーズを考慮することも大切です。 オフィスの利便性さは、従業員の生産性やモチベーションに大きな影響を与えます。 会議室が足りていない、集中して作業できる環境がないなど、業務を遂行するための十分な環境が整っていない場合、機会の喪失や業務効率の低下につながる可能性があります。 また、近年企業選びにオフィス環境を重視する就活生が増加傾向にあるため、快適なオフィス環境に整えておくことは採用の強化にも繋がります。
オフィスレイアウトの変更手順

課題・必要スペースの決定
それぞれの部署にどのような課題があるのかを明確にし、必要なスペースを洗い出しましょう。 現状どういった課題があり、どのように解決したいのかをしっかりと把握し、依頼する際にできるだけ具体的に説明できるようにしておくことが大切です。 また、どのスペースをどこに配置したいかなども事前に決めておくと、業者への依頼もよりスムーズになります。 【レイアウトの種類】 ◆フリーアドレス式 空いている席に自由に座れるタイプのレイアウトです。 部署や役職に関係なく席を決められるため、コミュニケーションを活性化させたい場合や部門間の壁を取り除きたい場合におすすめです。
関連記事:フリーアドレスとは?失敗しない方法や事例をご紹介
◆ABW式 社員が仕事内容にあわせて働く場所を選べるレイアウトです。 フリーアドレスと似ていますが、ABWは社外の場所(自宅やサテライトオフィス、カフェなど)も選ぶことができます。 ハイブリッドワークを視野に入れている場合や社員の通勤時間や交通費を浮かせたい場合などにおすすめのレイアウトです。
関連記事:ABWとは?フリーアドレスとの違いや導入事例を解説。
◆背面対向式 社員同士が向かい合わないように配置するレイアウトです。 周りの視線を気にせず、集中して業務に取り組め、近い席の社員同士であれば比較的コミュニケーションも取りやすい配置です。
関連記事:9種類の基本オフィスレイアウト【デスクの配置編】!効率良く仕事するため方法紹介!
◆島型レイアウト 部署ごとに集まって座るレイアウトです。 同じ業務を行う社員同士が近くに座れるため、同部署内のコミュニケーションがとりやすい配置です。 増員やグループアドレスにも対応しやすいレイアウトです。
◆左右対抗式 デスクを左右逆行させて並べ、列の間に収納家具等を並べるレイアウトです。 社員同士が対向せず、列の間に資料や書籍を収納できるため、集中が必要な業務や資料を使用する頻度の高い業務に向いています。
業者選定・レイアウト決定
レイアウト変更を依頼する業者を選定し、どのようなレイアウトにするかを決定します。 できれば複数の業者から相見積りをとり、レイアウトやサービス内容、スケジュールなどを比較しましょう。
レイアウト変更準備
レイアウトと業者が決まれば、次は事前準備を行います。 ◆ナンバリング 移動させるデスクやチェア、什器に番号を振った図面を作成します。 業者は、このナンバリングした図面を参考に配置を変更していきます。 事前にこのナンバリング図面を作成することで、レイアウト変更をスムーズに行うことができます。 ◆荷物整理・梱包 必要なものだけ残し、処分するもの以外は段ボールに梱包していきます。 この段ボールにもナンバリングしておくことで、レイアウト変更後の移動をスムーズに行えます。
オフィスレイアウトの変更を業者に依頼するメリット
幅広い対応
レイアウトの提案だけでなく、レイアウトの変更に伴う配線や回線などの内装工事が必要な場合にも対応できる点です。 また、オフィスの内装をトータル的にサポートしているため、家具の購入やBCPを意識したオフィスづくりなども可能です。 複数業者に手配するよりも、手間やコストを減らせるといったメリットもあります。
企業にあったデザインやレイアウトを提案
もう1つは効率的かつ創造的なオフィス環境を提供するためのノウハウを持っているため、各企業にあった効率的でオリジナリティ溢れるレイアウトの提案が受けられる点です。 また、デザイン性だけでなく、業務効率を高められる機能性のあるレイアウトの提案をしてもらえるといった点も利点です。 レイアウト変更はゾーニングや動線計画が非常に重要で、素人が思い付きで配置変更を行うと、かえって業務効率を下げてしまう可能性があります。
オフィスレイアウト変更で費用を抑える方法
オフィスレイアウトの変更は、工夫次第では費用を抑えることも可能です。
1.既存家具の活用
オフィスレイアウトの変更で、家具をすべて新規購入する場合、従業員1人あたり5万円~30万円程度の費用が必要になります。 家具・什器・備品類の購入費用は、コストインパクトが大きくなりやすい費目です。 しかし、既存家具を活用することでこのコストを抑えることができます。 全てのオフィス家具を新規購入せず、一部を継続して利用することで、廃棄費用と新品の購入費用を削減できます。
2.業者選定
できるだけ費用を抑えてレイアウト変更を行いたい場合は、総合的にサポートを行っている業者に依頼することでも、自社の負担を軽減することができます。 デザイン会社や複数の内装工事会社に依頼した場合、中間マージンが複数社分発生してしまいますが、総合的に支援できる業者に依頼することで、コスト削減や自社社員の負担を軽減できます。
3.補助金や助成金の活用
事業承継・引継ぎ補助金や事業再構築補助金など、オフィス移転だけではなく、オフィスレイアウトの変更でも活用できる制度です。 また、IT導入補助金のようなITツールの導入に活用できる補助金や、設備投資から広告宣伝費など幅広く活用できる、ものづくり補助金などの制度もあります。 こういった補助金や助成金は、全国で利用できるものものもありますが、地方自治体によって独自の制度を実施している場合もあるため、事前に自治体ホームページなどで確認しておくことをおすすめします。
オフィスレイアウトの変更事例

◆木を基調とした考えを想起する見晴らしの良いレイアウトに。
事例はこちら: 株式会社アドバンス一世様

◆質の高いコミュニケーションや、働き方や気分に合わせて執務エリアを選択できるレイアウトにすることで、気持ちを切り替えやすく、仕事の効率UPを図れるよう工夫しました。
事例はこちら:株式会社メディカ出版様

◆各部門を1フロアに集約。フリーアドレスを採用し、エリア全体を見渡すことができるレイアウトに。
事例はこちら:株式会社モリタ様 営業部

◆来客にも対応できるスペースをつくり、動線を広く取ることで、落ち着いたゆったりとした空間を表現し、使い勝手の良いオフィスに。
事例はこちら:よしだ経営労務事務所
オフィスのレイアウト変更はプロに依頼するのがおすすめ
オフィスレイアウトの変更は信頼と実績のあるプロに頼むのがおすすめです。 オフィスデザインからレイアウト、移転までお手伝いするハタラクバデザインでは、オフィスのデザイン・レイアウト作成だけでなく、テナント物件のご紹介から内装工事を含む各種工事、オフィス家具の設置にいたるまで、ワンストップで実施できるところが強みです。 現在、大阪市周辺で年間200件以上のオフィス施工実績があります。 レイアウト変更や各種工事をご検討されている場合は、ハタラクバデザインへお気軽にお問い合わせください。