
OAフロアとは?施工する場合の耐荷重や種類をご紹介致します。
OAフロアとは、床面と躯体の間に空間を設けてケーブルやコンセントなどを収納できる二重構造の床です。フリーアクセスフロアとも呼ばれ、オフィスや店舗、工場などの配線を多く必要とする場所に設置されます。 この記事では、OAフロアのメリットや選び方、費用相場について解説します。
OAフロアとは?
OAフロアとは、床の上にネットワーク配線などのための一定の高さの空間をとり、床を二重化したものを言います。 「フリーアクセスフロア」や「二重床」とも呼ばれ、設置することでフロアに配線が出ないため、見当た目がすっきりするだけでなく、転倒などの事故の防止にも繋がります。
OAフロアを設置するメリット
1.配線の整理と効率化
OAフロアは下にケーブルを整えるため、配線がすっきりと整理されます。これにより、配線の床の不安を感じることができ、見た目もスッキリします。 ケーブルが床下に収納されることで、オフィス内のスペースが広く使えるようになります。
2.柔軟なオフィスなレイアウト
OAフロアは、配線の変更や追加が簡単にできるため、オフィスのレイアウトを変更する際にも柔軟に対応できます。事務机や椅子、設備の配置を変えても、配線を新たに引き直す手間が少なくなります。 部門の移動やフロアのレイアウト変更が必要になった際にも、床下の配線をそのまま活用できるので、コストや手間が削減できます。
3.メンテナンスの容易さ
配線やケーブルのメンテナンスが簡単にわかります。OAフロアの床板を外すだけで、配線の点検や修理、交換が可能になります。これにより、オフィス内での作業が中断されにくく、効率的にメンテナンスができます。
4.安全性の向上
床下に配線を収納することで、ケーブルが人の足元に絡むことがなく、転倒の危険が軽減します。また、OAフロアには耐火性や遮音性が高いものもあり、安全性が向上する場合もあります。
5.空調効率の改善
OAフロアを使用することで、床下空間を利用して冷暖房の効率をよく配分することができ、オフィス内の温度調整がスムーズになります。これにより、空調設備の効率が向上し、省エネにも繋がる場合があります。
6.将来の拡張やテクノロジーの進化に対応
新しいや技術設備が導入される際に、新しい、OAフロアはその変更に対応しやすいです。例えば、インターネット回線のアップグレードやデバイスの導入時に、柔軟に配線の調整が可能です。
OAフロアの種類と費用相場
置敷式
置換式タイプは施工期間が短く、釘やビスなどで固定する必要もないため、床を傷つけることがありません。 主に樹脂製OAタイプと溝配線タイプの2種類があります。 ◆置敷式簡易OAフロア

置敷式簡易OAフロアは他のタイプと比べ軽量で、コストパフォーマンスに優れているといったメリットがあります。 施工も簡単に行えますが、平らな場所にしか設置できず、耐震性や耐荷重が高くないといったデメリットもあります。 ◆溝配線OAフロア

配線にカバーをつけ、パネルの溝部分に配線を収納するタイプです。 設置後の配線変更がしやすく、レイアウトの変更等を行いやすい点がメリットです。 デメリットは、こちらも平らな場所のみ設置可能で、収納量や収納方法が制限されるため、収納する量が多い場合は不向きな点です。
調整式
パネルと支柱を分離できるため、高さを調節できます。 そのため、平らでない場所にも設置可能です。 また、パネルタイプは金属製のものが多いため、耐荷重も高いことも利点ですが、樹脂製に比べ重さがある点や費用が高額になりやすい点がデメリットです。 ◆パネル下配線OAフロア

配線容量が多く、パネル下であればどの方向にも配線が可能です。 ただし、設置後に配線変更を行う場合は置敷式よりも施工に手間がかかるため、レイアウト変更時には注意が必要です。
OAフロアの費用相場
置敷式の場合
置敷式OAフロアの費用相場は1㎡あたり4000~6000円程です。
調整式の場合
調整式OAフロアの場合は7000~9000円程です。
OAフロア素材
樹脂製
置敷式のものに多く、施工や配線の変更も手間がかからず簡単です。 耐荷重は2000N~3000N程と高くはありませんが、オフィスや店舗など、一般的な重量の什器や機器を設置する場合には問題ありません。
金属製
金属製は他の素材に比べ、丈夫で耐震性・耐荷重が高い点がメリットです。 金属製の場合、ビスでしっかりと固定するため、施工後も歩行しやすく、強度が優れています。 注意点は樹脂製に比べ、施工費用が高額になりやすい点です。 耐荷重は3000N~5000Nと樹脂製と比べ優れています。
コンクリート製
コンクリート製は吸音性が高い点が最大のメリットです。 歩行音を軽減してくれ、床荷重が大きい点も強みです。 耐荷重も金属性と同じく3000N~5000Nと大型の什器や通信機器などの設置も可能です。 ただし、こちらも施工費用が高くなりやすい点や、処分する場合には産業廃棄物扱いとなる点に注意が必要です。
OAフロアの高さ
OAフロアは30mm~100mmの高さのものがあり、一般的にオフィスで使用される場合は50mm以上の高さのものを使用します。 【50mmの高さ】 オフィスや店舗などでケーブルや回線などを収納できる高さです。 たくさん収納できるため、ほとんどの場合この高さのもので対応できます。 【75mm以上の高さ】 床下にかなりの空間ができ、施工がしやすくなります。 しかしその分天井が低くなるため、圧迫感を感じやすいでしょう。
OAフロアの選び方
設置場所・使用目的
オフィスの用途によって選ぶべきOAフロアは異なります。一般的なオフィスであれば軽量型や中歩行型が適していますが、大型機器を設置する場合やデータセンターなど特殊な用途では重歩行型や特殊機能型が求められることがあります。
床下空間の高さ(高さ調整)
OAフロアの高さは、床空間下にどれくらいの配線や空調設備を整えているかによって決まります。 一般的に、床下空間が高いほど多くの配線を収納できるため、設置時の柔軟性が高くなります。 高さ調整可能なタイプを選ぶことで、将来的な変更にも対応しやすくなります。
耐荷重性能
OAフロアを選ぶ際、どの程度の荷重に耐えられるかを確認することが重要です。特にサーバーラックや重機器を設置する場合は、耐荷重性能が十分であることを確認してください。
メンテナンスのしやすさ
配線の追加や変更、下の床のメンテナンスが簡単かどうかも選ぶ際のポイントです。 モジュール型や軽量型は比較的簡単に変更できるため、頻繁にオフィスのレイアウト変更がある場合には便利です。
コスト
OAフロアの設置費用はタイプによって異なります。 特に重歩行型や特殊機能型は高額になる場合があるため、予算をしっかりと把握して、必要な機能とバランスを取ることが重要です。
環境への配慮
耐火性や防音性、環境への配慮も選択の基準となることがあります。特に企業のサステナビリティに配慮している場合、環境に優しい製品を選ぶことが推奨されます。
OAフロアを設置する場合の注意点
重量物の設置
耐火金庫や移動書庫などの重量物を設置する場合は注意が必要です。 床荷重を超えると、床が凹んだり陥没したり、設置した機器や棚が転倒して破損したりする可能性があります。 OAフロアは種類ごとに耐荷重が異なるため、重量によってはそのまま設置できない場合があります。 特に耐火金庫は設置面が小さく、負荷がかかりやすいため、別途対応が必要になる場合が多いです。 【対応方法】 OAフロア上に重量物を設置したい場合、対処方法としては主に2つあります。 ◆鉄板を敷く OAフロア上に鉄板を敷き、補強することで設置が可能になります。 重さを分散させることができるため、凹みや陥没を防止することが可能です。 ◆代替する パネルを撤去し、重さに耐えられるコンクリートパネルや合板パネルを敷くことでも設置することができます。 コンクリートパネルや合板パネルは、耐荷重が3000N~6000Nと高く、重量のある物も設置可能です。
新しいビルの場合
新しいビルの場合は、一部分の床の耐荷重を補強している「ヘビーデューティーゾーン」がある場合があります。 ヘビービューティゾーンは、超重量に対応できるように設計・補強されているため、超重量に対応できます。 通常フロアの耐荷重3000N~5000N(300kg~500kg)に比べ、7000N~10000N(700kg/1000kg/)の耐荷重に耐えられるよう設計されているため、重量物の設置も問題なく行えます。
扉回り
扉周りの収まりには主に框やスロープを用います。 框やスロープは、OAフロアと既存床との間に生じた段差を解消するために使用します。 レイアウトや使用できるスペースによって適するものが変わるため、お客様と相談しながら決定します。
まとめ
OAフロアには種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。 目的に合ったものを使用することで、より快適で働きやすいオフィスにすることができます。 OAフロア工事からレイアウト、移転までお手伝いするハタラクバデザインでは、オフィスのデザイン・レイアウト作成だけでなく、テナント物件のご紹介から内装工事を含む各種工事、オフィス家具の設置にいたるまで、ワンストップで実施できるところが強みです。 OAフロア工事や各種工事をご検討されている場合は、ハタラクバデザインへお気軽にお問い合わせください。 お問い合わせ・お見積もりはこちら