
オフィスレイアウトを考えるときの注意点
オフィスの広さや収容人数、企業規模の差はありますが、オフィスの移転はどの企業にとっても非常に大きな出来事になることは間違いありません。 通常の事業を継続しつつ移転の準備をすすめ、迅速かつリスクを最小限にできるようなスケジュールを立てる必要があります。
オフィスのレイアウトが重要な理由
自分の会社のオフィスを移転したり新たに設置したりする場合には、レイアウトを検討する必要性が生じます。 オフィスレイアウトは、社員のモチベーションや自分の会社の業務効率・生産性にも影響を与える可能性があります。
したがって、自分の会社のスタッフに気持ち良く仕事をして業績を上げてもらうためには、オフィスレイアウトに関する理解を深めておくことも大切になります。
オフィスのレイアウトを考えるにあたっては、ゾーニングもチェックポイントの一つです。 ゾーニングは、オフィス内でデスクワークや会議・マネジメント業務などを行うスペースを区分することを意味します。
それぞれのスペースを適切に配置することは、社員間のコミュニケーションを活性化したり、動線の無駄を省いて業務効率や生産性を向上することにつながります。
ゾーニングを検討する場合、まずはスペース配分について考えてみると良いでしょう。 具体的には、オフィス全体を100として、一般執務や業務支援、情報管理などを行うためのスペースの配分を検討しましょう。 スペース配分では、使用頻度の高いスペースほど配分を大きくするのが基本的な考え方になります。
また、天井裏の配管や配線などによって設備や機器の配置方法も変わってくるので、事前に確認しておくことが大事です。
オフィスレイアウトは、生産性や効率性に大きく影響する
職場環境は、毎日のモチベーションにも関わってきて、仕事の生産性や効率性に大きく影響してきます。 普段、従業員が働いている姿を見ていても、何も不満を感じていないように思えるかもしれませんが、原状の職場環境に不満を持っている従業員は少なくありません。 デスクとチェアを必要な数を用意して各自の働けるスペースがあれば十分だろうと安易に考えずに、従業員の働きやすさ・生産性や効率性・やりがい・満足度などを考慮して、オフィスレイアウトを決めることが大切です。 オフィスレイアウトの基本となる条件は、能率的で安全に働けて居心地の良い場所であることです。 仕事をする場所ですから能率的であることは当然ですが、具体的な例を挙げると、移動するのに最短距離で行けなかったり作業するのに何度も行ったり来たりするレイアウトになっていることが多々あります。 また、一般的なオフィスでは、安全面についてあまり配慮していないこともあります。 しかし、小さなことが原因で怪我をする可能性もあるので、万一の事態に備えた対策も講じておかなくてはなりません。 そして、働く場所でありながら、居心地が良いと感じる場所であることも不可欠な要素です。
オフィスのレイアウトを工夫するメリット
1. 業務効率の最大化
無駄な移動を減らし、作業の効率化を図れます。 固定席の場合、よく連携する部署やメンバーを近くに配置することで、連携や情報共有がスムーズに行えます。 フリーアドレスの場合は、自分の業務や気分に合わせて席を選択でき、ストレス軽減や生産性の向上といった効果が期待できます。
2. コミュニケーションの質を高める
オープンスペースや共有スペースをうまく活用すれば、自然な交流が生まれやすくなります。 部門間の壁をなくすことで、風通しの良い職場の実現や、新たなアイデアの創出にも繋がります。
3. 従業員満足度の向上
快適で働きやすい環境は、社員のモチベーションや定着率に直結します。 自然光やグリーン、静かな集中エリアなど、従業員が快適に業務に取り組める環境を提供することで、自分たちの働く場に「愛着」が持てるようになります。
4. ブランディング効果
オフィスの見た目や雰囲気は、その会社の文化を象徴します。 採用や取引先との信頼構築にも影響を与えるため、非常に重要です。 オフィスを通じてブランディングに取り組むことで、好感度の上昇や競合優位性を獲得できます。
5. 変化に対応できる柔軟性
働き方改革やリモートワークなどの影響から、時代の変化に対応できるレイアウトが必要とされています。 固定席からフリーアドレス、個人ブースなどへの移行を検討する企業も増加しているため、将来のレイアウト変更の可能性や、従業員数の増減、働き方の変化などを考慮しておくことも大切です。
オフィスレイアウトを考える場合によくある失敗
動線の設計
レイアウトの変更を考える場合に注意が必要なのが、動線です。 動線は、人や物が移動する経路のことで、レイアウト変更を行う場合に配慮すべき重要な要素の一つです。 動線が確保されていないレイアウトは、作業効率が落ちる可能性があります。 移動が困難になり、ストレスの原因となる場合やコミュニケーションの減少に繋がる場合もあります。 オフィスの動線は働きやすさを左右するため、シンプルで動きやすい動線を意識することが大切です。
パーティションの位置
パーティションを設置する場合にも注意が必要です。 特に施工型のパーティションを設置する場合には、スプリンクラーなどの防災設備を設置する必要があります。 室内にスプリンクラーを取り付けできない場合、パーテーションに開口部を設けなければならないという決まりがあります。
ゾーニング
ゾーニングとは、部署や核各エリアの配置を決定する作業のことを言います。 ゾーニングを失敗すると、使い勝手の悪いオフィスになってしまい、業務効率が低下する可能性があります。 コミュニケーションの取りやすさや働きやすさに影響するため、機能性を考慮したゾーニングを行うことが大切です。
オフィスレイアウトを考える際の注意点
自分の会社のオフィスレイアウトを検討するにあたって各スペースの配分をする場合は、建築基準法などの関連法規にも気を配る必要があります。 自分たちにとっては使い勝手の良いレイアウトであっても、法律に違反していては実現することができません。
例えば、スペースの配置によって通路の幅に関する取り決めなども異なるので、トラブルやアクシデントを未然に防止するためにも前もってチェックしておきましょう。
スペース配分が終わったら、オフィス全体の敷地面積に配分率を掛けて各スペースの面積を算出し、それぞれの配置を検討します。 各スペースの場所は、人の移動やものの運搬がしやすく業務がスムーズに進むよう配置しましょう。
例えば、コピー室などはまざまな部署のスタッフが頻繁に使用することが想定されるため、各セクションから近い場所や行き来しやすい場所に配置すると良いでしょう。
次に、オフィス内でスタッフが効率よく快適に業務をこなすためには、適切な広さのワークスペースを確保する必要があります。 ワークスペースの広さはゾーニングの際に検討していると思いますが、自分の会社に在籍しているスタッフの人数に適しているかどうかをもう一度よく考えてみましょう。
具体的には、社員1人あたりのワークスペースを適切に確保することでオフィス内の機能性や快適性が保たれます。 社員1人あたりのワークスペースは、ワークスペース全体の面積を社員の人数で割ることによって算出できます。
オフィスのレイアウトのパターン
オフィスレイアウトにはさまざまな種類がありますので、「業績を高めるためにどんな種類がいいのか」「社内全体の士気をアップさせて生産性を上げるためにはどんなレイアウトがおすすめなのか」それぞれの特徴やメリットを見比べることが大切です。
対向式
たとえば、対向式は同じ部署で働く社員を向かい合ってレイアウトするタイプです。 一般的にこのタイプのレイアウトを導入している会社はとても多く、業務を問わず導入できる特徴を持っています。 このタイプは、ひとつの空間に社員の机をまとめて配置することができるので、狭い空間でも取り入れやすいレイアウトの種類となります。 通路にスペースを作ることができるので、部屋の中を移動する際にわずらわしさを感じることがありません。 また、並ぶ机の島同士が近いので、隣同士で社員がコミュニケーションを取りやすいというメリットもあります。
同向型
同向型は、学校の教室内で生徒たちの机が並んでいる様子のように机を並べるレイアウトです。 お客様がたくさん来店するような銀行などのほかにも、コールセンターのように多くの従業員が一度に働く部屋などで使われることが多いタイプです。 このタイプのメリットは、定型業務が効率よく行われることです。 書類などの受け渡しがやりやすいので、業務の効率アップを図りたいという場合は同向型のレイアウトを取り入れてみるのも方法のひとつです。 また、来客の目に書類がふれないようにしたい場合もこの形のレイアウトがおすすめです。 向かい合った人の視線を気にせず業務をこなせるのは大きな特徴でしょう。
クラスター型
オフィスレイアウトのクラスター型という種類は、1つの島で左右それぞれ違う方向を向いた机が列をなしています。 1列は左を向き、もう1列は右を向いたスタイルです。 列を変えるスタイルは、目の前の社員の背中が見えて、向かい合う社員の顔が見える形になるため、対向式スタイルと同向型スタイルの特徴のいいところを選んだレイアウトとなります。 このスタイルは外資系の企業で取り入れていることが多いです。 低いパーテーションで列を仕切ることで社員一人ひとりのプライバシー空間を保つことができ、業務に集中して取り掛かることができ、業務の効率アップも期待できます。 これを踏まえて考えると、デザインや設計をする業務に適したレイアウトと考えることができます。 業務に集中できることや十分な作業スペースが設けられること、さらに通路のスペースもしっかり確保できるので、室内を移動する際も机や椅子が気になりません。
フリーアドレス型
フリーアドレス型のレイアウトも注目を集めています。 社員がそれぞれ自由に机と椅子を用意して、自分の気に入った場所に置いて仕事ができるというスタイルです。 座る位置を固定しないので、その日によって座る位置を変えることもできます。 このスタイルの特徴は、その日によって仕事が休みの人がいたとき机と椅子の場所を調整できます。 また、終日外回りで外出している人の机や椅子も移動させることができることも可能です。 そうすることで、業務の効率アップにつなげることもできます。 このスタイルを導入する企業は増えていて、これまでのような席を固定するレイアウトと比べると、フリーアドレス型を導入することで社員同士の交流を増やすことも可能になります。 外出する機会が多い社員がいる部署のほか、在宅勤務という形で働く社員が多い企業などはこのレイアウトが適しているでしょう。
まとめ
自分の会社のオフィスを移転したり新たに設置したりする場合には、レイアウトを検討する必要性が生じます。 自分の会社のスタッフに気持ち良く仕事をして業績を上げてもらうためには、働きやすさ・効率・コミュニケーション・安全性など、さまざまな要素をバランスよく取り入れることが大切です。 オフィスデザインからレイアウト、移転までお手伝いするハタラクバデザインでは、オフィスのデザイン・レイアウト作成だけでなく、テナント物件のご紹介から内装工事を含む各種工事、オフィス家具の設置にいたるまで、ワンストップで実施できるところが強みです。 現在、大阪市周辺で年間200件以上のオフィス施工実績があります。 移転や各種工事をご検討されている場合は、ハタラクバデザインへお気軽にお問い合わせください。 お問い合わせ・お見積もりはこちら