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オフィスデザインのレイアウト・内装工事に関するブログ
更新日:2024/03/08
オフィス空調が仕事に与える影響は大きく、従業員のストレス軽減や業務効率の向上に直結するため、企業にとって重要なポイントといえます。
また、環境基準が法令によって明確に規定されているので、企業は適切な環境を維持する必要があります。
しかし、オフィスの広さやレイアウトは企業によってさまざまであり、適切な空調機を設置・運用していないと、温湿度にムラが出てしまうケースもあるでしょう。
そこで本記事ではオフィス空調の種類や法令で定められた空気環境の基準、温湿度にムラが出る場合の原因と対策について解説します。
目次
オフィス環境には労働安全衛生法、建築物における衛生的環境の確保に関する法律により、基準が定められています。
以下に具体的な数値を紹介します。
労働安全衛生法とは、労働者の安全と健康を確保し、快適な職場環境を形成することを目的とした法律です。
適用されるのは「何らかの事業を行って労働者を使用している事業者」なので、ほとんどの企業に適用されると考えたほうが良いでしょう。
労働安全衛生法で規定された事務所衛生基準規則において、以下の環境基準が定められています。
気積(空気の体積):労働者1人あたり10㎥以上
一酸化炭素濃度:50ppm以下
二酸化炭素濃度:5000ppm以下
温度:17℃以上28℃以下
※ただし、空調設備を設けている場合、室温の努力目標値を18℃以上28℃以下とする。
相対湿度:40%以上70%以下
照度:精密な作業は300ルクス以上、普通の作業は150ルクス以上、粗な作業は70ルクス以上
特に温度や相対湿度は、オフィス空調を活用して定められた基準値を維持することが求められます。
もし労働安全衛生法で規定された事務所衛生基準規則に違反した場合、労働安全衛生法第119条により、事業者や管理監督社に罰則が科される可能性もあるので、十分に注意しなければなりません。
なお、労働安全衛生法の事務所衛生基準規則は以下のページから確認できるので、目を通しておくことをおすすめします。
参考:厚生労働省「事務所衛生基準規則」
建築物における衛生的環境の確保に関する法律(略称:建築物衛生法)とは、多数の人が利用する建築物の維持管理に関して、環境衛生上必要な事項を定めた法律です。
適用されるのは「延べ面積3000㎡以上(学校は8,000㎡)の建築物などの所有者」となっています。
そのため、テナントとして賃貸物件に入居している企業は適用対象とはならず、違反した場合は所有者側の責任になります。
建築物衛生法では、「建築物環境衛生管理基準」において、温度と相対湿度を以下の数値内に保つよう定めています。
具体的には以下の数値を遵守することを定めています。
温度:18℃以上28℃以下
※居室における温度を外気の温度より低くする場合は、その差を著しくしないこと
相対湿度:40%以上70%以下
労働安全衛生法とおおむね同じ数値ですが、令和4年4月1日以降、温度の基準が見直され、下限が17℃以上から18℃以上となっており、その点のみ違いがあります。
なお、上記の基準以外にも浮遊粉じんの量、一酸化炭素・二酸化炭素の含有率、気流、ホルムアルデヒドの量などの数値が定められています。
詳しくは以下のページから確認するようにしましょう。
参考:厚生労働省「建築物環境衛生管理基準について」
続いてオフィス空調を改善することが、仕事に対してどのような影響を与えるのか考えていきましょう。
オフィスの温度や湿度が低すぎたり高すぎたりすると、ストレスの要因となります。
そのため、オフィス空調を改善して適切な温湿度を保てば、従業員のストレス緩和につながるでしょう。
適切な温度には個人差がありますが、一般的には22℃〜25℃が快適と考えられているので、法令で定められた基準を守るだけでなく、よりいっそう快適な環境を目指すことが大切です。
また、従業員が快適な温湿度で仕事ができれば、体調不良や集中力低下を防ぐ効果も期待できます。
特に季節の変化や気温の急激な変動がある場合、空調の適切な調整が重要です。
オフィス環境の改善は、従業員の心身の健康をサポートするだけでなく、業務効率の向上にもつながります。
快適な環境で仕事をすることで、従業員はストレスを感じにくくなり、仕事により集中できるようになるでしょう。
集中力が高まれば、ミスやトラブルの防止やパフォーマンスの向上効果も期待できます。
したがって、オフィスの管理者は空調システムの定期的なメンテナンスや効果的な運用に注力することが求められます。
一般家庭と違い、オフィスでは容量の大きい業務用空調が使用されます。
業務用空調は大きく個別空調とセントラル空調の2種類に大別されます。
それぞれの特徴を解説します。
個別空調は、各階・エリアごとに空調を設置し、個別に温度や風量を調整できる方式です。
室内に設置されたリモコンによって利用者自身が操作できるため、エリアごとに温度を設定したい場合に便利な方式といえるでしょう。
個別空調で一般的に使用されるのは「ビル用マルチエアコン」です。
室内機・室外機が同じ数だけ設置されていて、電源の供給が個別に行われます。
個別空調は使い方次第で省エネにもなりますが、リモコンの切り忘れや使いすぎなどによって、電気の使用量が大幅に増えてしまうリスクもあります。
セントラル空調は、ビル全体で一元管理された空調システムです。
主にビル管理会社が一括管理し、温湿度の調整をしているため、メンテナンスなどの手間がかからず、リモコンの切り忘れや使いすぎを防止できます。
セントラル空調は冷凍機やボイラーといった熱源機器を一ヶ所に集中設置し、冷温水をファンコイルなどの空気調和機に送水して、温湿度調整をします。
ただし、個別空調と違い自分たちの好きなように温度を変えられない点がデメリットといえるでしょう。
高性能なオフィス空調も増えていますが、オフィス空間すべてを快適な状態に保つのは、なかなか難しいのが現状です。
特に広いオフィスでは、場所によって温湿度にムラが出ることもあるでしょう。
以下に温湿度のムラを無くすための方法を5つ紹介します。
ハイブリッドファンはエアコンの風により羽根を回転させ、冷気や暖気を部屋の隅々まで循環させ、温湿度のムラを無くす装置です。
電気代を使わずに快適な空調環境を実現できるため、省エネ効果も期待できるでしょう。
また、エアコンの直撃風を防ぐ効果があるので、冷気や暖気を直接受けることにより健康被害(冷え性など)を避けるためにもおすすめです。
エアコンの吹き出し口に取り付けるだけで使用できるので、手間がかからず比較的低コストで可能な対策といえます。
サーキュレーターは部屋の空気を循環させるための装置です。
主に一般家庭用として販売されていますが、オフィスでも有効活用できます。
直線的な風を送り出すことで室内の空気を循環させ、室内温度のムラを少なくし、冷暖房の効率を上げることが可能です。
設置場所によっては効果が出ないこともあるので、どこにすべきかよく検討する必要があります。
空気清浄機は空気中に浮遊する塵埃や花粉、ハウスダストなどを除去する装置です。
こちらも一般家庭で利用されていますが、オフィスでも設置しておけば室内環境の改善につながるほか、温湿度のムラを無くす効果も期待できます。
また、最近では加湿機能の付いた空気清浄機が主流となっており、特に冬場は乾燥しがちになるので設置しておくと便利です。
ただし、全熱交換器や加湿器が常設してある場合は、かえって加湿しすぎないように注意しましょう。
壁や床に断熱材を追加すれば、室内の温度差を抑えることにつながります。
特に床からの冷気が伝わりにくくなるため、冬場における足元の冷えを軽減するのに効果的です。
また、断熱材を追加すると冷気や暖気の流入・流出を抑制でき、室内の温度変化を緩やかにできるので、省エネにもつながるでしょう。
断熱材は後付けで設置できる製品もあるので、建築会社や管理会社へ相談してみることをおすすめします。
定期的な換気をすることも、温湿度のムラを無くす対策になります。
換気の方法として、もっとも簡単なのは定期的に窓を開ける方法です。
しかし、建物によっては窓を容易に開けられない場合もあるので注意しましょう。
また、全熱交換器などの換気設備が常設してある場合は、積極的に活用することをおすすめします。
働き方改革やリモートワークの浸透により、オフィスに出社する意義が改めて問われる中、快適なオフィス環境を整えることは、企業にとって重要といえます。
法令に定められた基準を守ることはもちろん、オフィス環境をよりいっそう向上させ、従業員のストレスを低減し、業務効率化を図ることが大切です。
空調管理はオフィスの規模によっては難しいケースもありますが、ご紹介した対策を活用し、できるだけ室内で温湿度のムラが出ないようにしていきましょう。
オフィスの移転を検討している方は、ぜひハタラクバデザインへお問い合わせください。
オフィスの設計から導入までお手伝いするハタラクバデザインでは、テナント物件のご紹介から内装工事を含む各種工事、オフィス家具の設置にいたるまで、ワンストップで実施できるところが強みです。
現在、大阪市周辺で年間200件以上のオフィス施工実績があります。
オフィスにおける各種工事をご検討されている場合は、ハタラクバデザインへお気軽にお問い合わせください。
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