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オフィスデザインのレイアウト・内装工事に関するブログ
更新日:2024/12/23
インクルーシブデザインとは、年齢や性別の垣根を超えて様々な人々が利用しやすい製品や空間の実現を目指すための考え方です。多様性への意識が高まる昨今、インクルーシブデザインのアプローチは広く注目を集めています。本記事ではインクルーシブデザインの意味や背景を詳しく解説しながら、オフィス空間に取り入れるための具体的な方法も紹介します。
目次
インクルーシブデザインは、インクルーシブ(包括)という言葉通り、性別・人種・年齢・障がいの有無などのあらゆる要素を取り払い、誰もが使いやすいデザインを考えることを意味します。製品やサービスのデザインのみに留まらず、施設・WEBサイト・ビジネスプロセスといった幅広い範囲に応用できる概念です。
インクルーシブデザインとよく混同されがちな考え方として、ユニバーサルデザインがあります。ユニバーサルデザインは「障がいの有無に関わらず、誰でも公平に利用できる汎用性の高いデザイン」を目指す手法として知られています。
大人・子ども・高齢者など、幅広い人にとって使いやすいものを追求するという点では共通した考え方ですが、インクルーシブデザインは「これまで排除されてきたマイノリティの声を聞き、焦点を当てる」のが大きな特徴です。
インクルーシブデザインではアンケート調査やワークショップを実施し、リードユーザー(従来の製品・サービスの対象からは排除されていた人々)をデザインプロセスに巻き込み、一緒に作り上げるという違いがあります。
バリアフリーとは、「人々が暮らしやすい建物を作る」ことを目的として建築業界から広がった言葉です。車椅子や足の不自由な方のためのスロープ、視覚にハンディがある方のための音声ガイダンスなどは、私たちの身近にあるバリアフリーです。
バリアフリーはすでに存在する製品や建物のデザインから障壁(バリア)を取り除くという考え方であるのに対し、インクルーシブデザインでは「これから作るものをバリアのないものにするためのデザインプロセス」を指すという違いがあります。
インクルーシブデザインが注目される背景には、社会環境や人々の価値観の変化があります。ここではインクルーシブデザインが重視される理由について詳しく解説します。
SDGsとは、「誰一人取り残さない」という理念のもと、持続可能な世界を実現することを目指した開発目標です。2015年9月に国連で採択され、日本では2016年から17のゴール・169のターゲットに対する取り組みがスタートしました。
加えて、現代社会では若者・高齢者・障がいを持つ人なども含めた、様々な人たちが活躍する社会を目指すダイバーシティの考え方も主流になってきています。インクルーシブデザインによって、それぞれの人の特性やニーズに合わせた製品・サービス・施設などを作ることは、「誰一人取り残さない」社会の実現のためにも重要な要素になると考えられます。
人々の生き方・働き方に対する価値観が多様化する現在、性別による区別のない社会(LGBTQ+の誰もが自分らしく暮らせる社会)への転換も求められています。近年では「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」として、女性・外国人・障がいを持つ人などの活躍推進、多様な働き方に対応した制度整備を行う企業も増えてきました。
その中で、これまではマイノリティとされてきた人たちの考え方を知り、不便さを取り除くインクルーシブデザインは重要な意味を持ちます。インクルーシブデザインによって、社内制度を含めた「これまで当たり前だったものを見直す」作業は、今後のビジネスの成長と社員満足度の向上においても不可欠な要素です。
インクルーシブデザインを実践する際には、3つのポイントがあります。それぞれ詳しく解説します。
インクルーシブデザインの第一歩は、従来の製品・サービスや制度設計においてマイノリティとされてきた人々を意識することから始まります。これまでは健常者や日本人といったマジョリティーだけを対象にしていたデザインの枠を取り払い、「外国人・高齢者・性別・障がいなどによってどこが不便になりうるのか」を幅広い視点で見ることが重要です。
製品・サービスなどを検討する際は、一つの用途にしか使えないものではなく、他のものと組み合わせて汎用性が高くなるもの、または使う人の特性や使う場面によって柔軟に用途を変えられるものを考えることが大切です。
例えば、動画配信サイトにおける再生速度の調節機能や自動字幕機能などは、日本語が堪能でない人や聴覚にハンディを持つ人も動画の内容を理解する助けになっています。このように、幅広いユーザーが状況に応じて最適な方法を選択できる状態を作るのもインクルーシブデザインの一つの方法です。
インクルーシブデザインでは、マイノリティ側の立場になって考えることが重要だと解説しました。しかしマイノリティが何に困っているのかを想像するだけでは限界があるため、実際のユーザーから声を集め、アイデアを出してもらうなどしてデザインに反映するプロセスが重要です。
インクルーシブデザインで設計された製品を取り入れると、オフィスの利便性が向上し業務の生産性向上やコミュニケーションの活性化が期待できます。自社のオフィスでまずは社内設備からインクルーシブデザインを実践したいと考える方は、ぜひ参考にしてください。
フリーアドレスを取り入れるオフィスが増えている中で、高さが固定されたデスクでは車いすや体格の違いなどによって使いづらさを感じる人もいます。天板の高さを調節できる昇降型デスクは、様々な人のニーズに対応できて利便性の高い執務空間づくりに役立ちます。無理な姿勢によって身体に疲れがたまることを防ぎながら、より作業に集中できるオフィスが実現するでしょう。
休憩室やミーティングスペースでは、手軽に移動できるモジュール式ソファを導入するのがおすすめです。いくつか並べて長椅子にしたり、円形に並べて社員同士の交流を促したり、一人で使いたい時はバラバラにしたりと、場面に合わせて複数の用途で使えます。利用する社員のニーズに合った空間を作れることから、より快適にミーティングや休憩時間を過ごせます。
年齢・性別・障がいの有無など、多様な背景を持つすべての人が利用しやすいデザインを追求する、インクルーシブデザインの考え方。 このアプローチは、企業のダイバーシティ&インクルージョンを実現するための取り組みとしても注目されています。ぜひ今回の記事を参考に、あらゆる人が活躍可能で柔軟な働き方ができる次世代のオフィスを作りましょう。
インクルーシブデザインを実践する一歩として、オフィス家具を変更するのも有効な手段です。社員にとって働きやすく魅力的なオフィスにしたいとお考えの方は、ぜひ黒田生々堂までご相談ください。
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