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更新日:2024/02/08
企業が社員に対して職業能力の再開発を行うことを指す「リスキリング」。近年ますますその重要性が認識され、すでに社内教育制度として実施している企業もあります。今回はリスキリングの概要とメリット、具体的な実施方法を紹介します。
目次
リスキリングという言葉について、経済産業省は「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」と定義しています。
出典:リスキリングとは―DX時代の人材戦略と世界の潮流―(経済産業省)
では、なぜここ数年でリスキリングが重視されるようになったのでしょうか。その背景に加え、リカレント教育やアンラーニングといった混同されやすい言葉との違いも解説します。
リスキリングという言葉が最初に注目されたのは、2020年のダボス会議における「リスキリング革命」がきっかけです。この発表の中で、「第4次産業革命に伴う技術の変化に対応した新たなスキルを獲得するため、2030年までに10億人のリスキルを目指す」と宣言しました。またこの宣言を受けて、2022年10月に岸田総理大臣は所信表明演説で「個人のリスキリング支援に5年で1兆円を投じる」と表明しました。これらの流れにより、社会人がさらにスキルを身につける重要性について多くの企業が認識し、徐々に社員教育へと踏み出しています。
リスキリングと混同されがちな言葉に、「リカレント教育」と「アンラーニング」があります。リカレント教育とは、仕事を辞めて大学などに入学し、専門的な学びを深めることです。リカレント(recurrent)の持つ「周期的な」という意味通り、仕事と学びを交互に繰り返す方法を指します。しかし、リスキリングは働きながらスキルを獲得する手法のため、仕事を離れて教育機関に入るリカレント教育とは根本的に異なります。
アンラーニングとは、既存の考えやルーティンを一度手放し、新しいスタイルを取り入れることです。例えば、持っている知識やスキルのうち古いものを使うのを辞め、代わりに新しい知識やスキルを取り入れることを指します。アンラーニング(unlearning)は学習棄却、つまり古いものを捨てることに主眼を置いているのに比べ、リスキリングは追加で能力を獲得することが主な狙いです。学習のプロセスにおいては、アンラーニングをしたうえでリスキリングが実施されることも多く、この2つは関連したものと言えるでしょう。
リスキリングは社会の大きな変化に適応し、ビジネスをより成長させるために不可欠なものです。企業が社員のリスキリングを行うと、一体どのようなメリットがあるのでしょうか。以下で3つの観点から解説します。
リスキリングを通して社員が専門分野を深めたり、業務で活用できる新たなスキルを身につけたりすることで、業務のスピードアップが期待できます。例えば、リスキリングでプログラミングのスキルを身につけた社員が、これまで手作業で行っていた煩雑な事務作業を自動化するツールを作成すれば、空いた時間をより重要な業務に費やすことができ生産性が向上します。結果として組織の売上にも良い影響を与えるでしょう。
リスキリングは社員の視野を広げ、挑戦意欲を高めることにもつながります。それにより、新しいアイディアの創出や、既存事業に専門知識を役立てて規模拡大に貢献するなど、組織のイノベーションが進むかもしれません。変化の激しい現代社会では、新たな視点でビジネスを考案できる人材が必要不可欠です。リスキリングによって社員が定期的に世間のトレンドや最新情報を仕入れることは、組織全体の成長を後押ししてくれます。
リスキリングは、自ら学び・考え・行動する社員の育成に効果的です。多くの業界で人手不足が叫ばれる昨今、一人の人材が複数の知識やスキルを身につけ、幅広い業務領域で活躍することが求められています。能動的にスキルの獲得へ向けて行動する人材は、職場に良い影響を与えることはもちろん、組織への貢献度も向上します。業務の幅が広がれば、社員がそれぞれの得意分野を磨くことや新しいキャリアの開拓にもつながります。
企業がリスキリングを推進する際は、次の4ステップで実施します。
STEP1:リスキリングの目的を設定する
STEP2:対象者と教育プログラムの決定
STEP3:リスキリングの実施と振り返り
STEP4:実業務での実践
それぞれ詳しくみていきましょう。
はじめに、リスキリングの目的を明らかにします。それぞれの企業で定める経営戦略や、それに付随する人事戦略から逆算し、「自社に今必要な人材はどんな人か、その人にはどんなスキルを持っていて欲しいか」をまとめます。スキルの習得と一言で言っても、部署や役職ごとに必要なものは異なります。できるだけ具体的に検討して、スムーズに実施できるようにしましょう。
次に、どの社員にどんな分野を学んで欲しいかを整理します。STEP1でまとめた方向性をもとに、具体的に対象とする部署・役職やリスキリング対象者を絞り込む段階です。このとき注意すべきなのは、トップダウンで「これを学びなさい」と指示するのではなく、対象者と話し合って課題を共有することです。
「自社はこんな人材を求めていて、今足りないのはこのスキルを持つ人であり、それをぜひあなたに習得してほしい」ということを社員へ明確に示します。それにより、社員の動機づけができ学習の意欲が高まります。教育プログラムを決定する際は、研修・オンライン講座・社会人大学など幅広い選択肢を検討し、社員が学びやすい方法をとることが重要です。
リスキリングをある程度の期間にわたって実施したら、振り返りを行います。リスキリングは業務と学びを並行することから、忙しい社員ほどその負荷は高いものです。1on1で定期的に成果を振り返ったり、今つまづいているポイントがないかどうか確認したりして、社員の学習状況を定期的に把握しましょう。
リスキリングで学んだ内容は、現場の業務で活用してこそ意味があります。「知っている」状態から「できる」状態へと社員を成長させるため、リスキリングの学びを実際の業務で活かせる場面を作りましょう。業務改善や効率化などのリスキリングによる成功事例ができた場合は、積極的に社内へ発信して学びの風土を広げていくことも大切です。
リスキリングを社内で行う際には、いくつか注意すべきポイントがあります。リスキリングの効果を最大化するためにも、しっかりチェックしておきましょう。
リスキリングを推進したいと考えていても、「コストが気になってなかなか踏み出せない」という企業も多いのではないでしょうか。そんな方は助成金の活用がおすすめです。
・厚生労働省「人材開発支援助成金」
・経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業費補助金」
・その他、各都道府県が定める助成金制度
これらの助成金によって、企業の負担を最小限に抑えながら社員のリスキリングを推進できる可能性があります。まずは支援を受けられるかどうか、自治体に相談してみてください。
リスキリングは教育してすぐ成果が出るものではなく、学びと実践を繰り返して社員に知識・スキルを定着させることが重要です。社員がリスキリングによってどのように変化したのか、定期的に効果を検証しましょう。社員の自主性に任せるのも良いですが、業務時間外や休日などに学びの時間を設定すると、負担が大きすぎる場合もあります。会社全体でリスキリングの機運を盛り上げるためには、業務時間中に学べる体制を整えることも大切です。
リスキリングでは、ITやDX分野をはじめ最新情報を反映した学びが必須です。社内だけで学習を進めるのは現実的ではないため、社外の研修会社やオンライン講座などを効果的に活用し、社員の学びの幅を広げることが大事です。座学のみではモチベーション低下が懸念されるため、アウトプットの機会も織り交ぜながら社員が前向きに学び続けられるサポートを行います。
リスキリングは企業の競争力を高め、変化に強い組織を作るために欠かせないものです。AIやDXの広がりとともに、社会では今後ますます社員のリスキリングが急がれるでしょう。その流れに乗り遅れないためにも、今回の記事を参考にぜひ自社でリスキリングを推進する方法について検討してください。
リスキリングではオンライン講座や社外の講師を招いた研修会を開催する場面も多々あります。学習効果を高めるため、会議室のレイアウトを見直したり、動かしやすいテーブルを導入してグループワークがしやすい環境を作るのもおすすめの方法です。黒田生々堂ではオフィス環境に関するお悩みに幅広く対応していますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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