小規模オフィスのレイアウトのポイントは? デザインやスペース活用術を解説

10人前後の小規模オフィスのレイアウトはどのように決めればよいのでしょうか。小規模オフィスは床面積が限られ、家具やOA機器を置くスペースが少ないことから、オフィスレイアウトに悩む人も少なくありません。小規模オフィスのレイアウトでは、ゾーニング・動線・寸法の3点に注意し、計画的に決めることが大切です。 また消防法や建築基準法などの関連法令なども考慮する必要があります。 本記事では、小規模オフィスのレイアウトを決める際のポイントや事前準備、注意点を詳しく紹介していきます。

目次[非表示]

  1. 小規模オフィスとは? 従業員10人前後で利用するオフィスのこと
    1. スモールオフィスとの違い
  2. 小規模オフィスのレイアウトの利点
  3. 小規模オフィスのレイアウトを決めるときの事前準備
    1. 1. ゾーニングする
    2. 2. 動線を考える
    3. 3. 寸法を測る
  4. 小規模オフィスのレイアウトの注意点
    1. 関連法令に違反していないか確認する
      1. 消防法
      2. 建築基準法
      3. 労働安全衛生法
  5. 小規模オフィスのレイアウトで意識するポイント
    1. 動線を意識したレイアウト
    2. ゾーニング
    3. 柔軟性を持たせる
    4. 自然光と照明の配置
    5. 収納スペースの工夫
    6. 音環境の管理
    7. 快適な休憩スペースの設置
    8. ブランディングの反映
  6. 小規模オフィスのレイアウトは実績が豊富なハタラクバデザインへご相談ください。

小規模オフィスとは? 従業員10人前後で利用するオフィスのこと

小規模オフィスとは、どのようなオフィスを指すのでしょうか。明確な定義はありませんが、一般的に「従業員10人前後で利用するのに適したオフィス」を指します。小規模オフィスは少人数での利用を想定しているため、床面積が狭いのが特徴です。家具やOA機器の配置によっては手狭になるほか、通路の幅が極端に狭くなったり、社員のパーソナルスペースがなくなったりしてしまう恐れがあります。 小規模オフィスに入居する場合は、限られたスペースを有効活用し、社員が快適に過ごせるオフィスづくりに取り組む必要があります。

スモールオフィスとの違い

小規模オフィスとよく似ているのが「スモールオフィス(ホームオフィス)」です。主に個人事業主やフリーランスの人が利用するワークスペースを指す言葉です。狭義のスモールオフィスは、レンタル方式のコワーキングスペースやシェアオフィスを指します。 この記事では、従業員10人前後が利用することを想定した賃貸オフィスや貸事務所を「小規模オフィス」と呼び、レイアウトの決め方や注意点を紹介していきます。

小規模オフィスのレイアウトの利点

小規模オフィスと聞くと、「床面積が狭い」「従業員のウケが悪い」といったイメージがあるかもしれません。しかし、小規模オフィスならではのメリットもあります。特にオフィスレイアウトにこだわりがある人は、大規模オフィスではなく、コンパクトな小規模オフィスを選ぶことに利点があります。

  • 統一感のあるレイアウトを実現できる
  • レイアウトに社員の意見が反映されやすい
  • 家賃や賃借料などのコストを削減できる

小規模オフィスはスペースが狭いからこそ、家具やOA機器などの雰囲気を統一し、一体感のある空間を演出できるのがメリットのひとつです。 オフィスの賃料は床面積(坪)と坪単価を乗じて決まることが一般的なため、床面積が狭い物件ほどコストが安くなります。もちろん、高価なOA機器をたくさん設置する必要がないため、賃借料(リース代など)も抑えられます。 また大規模オフィスと比較すると、従業員一人ひとりの意見をオフィスレイアウトに反映させやすいこともメリットです。
​​​​​​​関連記事:【小規模オフィスレイアウト事例】狭くても快適なオフィスに!工夫する場合のコツを解説します。

小規模オフィスのレイアウトを決めるときの事前準備

小規模オフィスは床面積が限られているため、計画的にレイアウトを決めることが大切です。小規模オフィスのレイアウトを決める際は、ゾーニング・動線・寸法の3点をきちんと考慮しましょう。

1. ゾーニングする

ゾーニングとは、オフィス空間を区分けすることです。執務スペース、ワークスペース、ミーティングスペース、休憩スペース、収納スペースなど、用途ごとにオフィス空間を区分けします。 床面積が狭い小規模オフィスの場合、従業員の人数や業務内容を考慮し、しっかりとオフィス空間をゾーニングすることが大切です。例えば、執務スペースやワークスペースの場合、ゾーニングをして区分けごとに以下のようなレイアウトを行うことができます。

島型(対向式)
デスクをくっつけて島をつくり、従業員が向かい合いながら仕事をするレイアウト
スクール型(同向式)
デスクを横に並べ、従業員が同じ方向を向いて仕事をするレイアウト
クラスター式
デスクの列の間に間仕切りや収納棚を設置し、隣り合う従業員が反対方向を向いて仕事をするレイアウト
フリーアドレス式
固定の座席を設けず、従業員が自由に仕事場所を選べるレイアウト

2. 動線を考える

動線とは、従業員が出勤してから退勤するまでの移動経路のことを指します。オフィスレイアウトを考えるときは、従業員の導線を考慮することで、働きやすいオフィスの空間づくりにつながります。例えば、トイレや給湯室、OA機器スペースなど、従業員がよく利用する場所はスムーズにアクセスできるようレイアウトを考えましょう。 逆に動線設計がうまくいっておらず、目的地に向かうために迂回したり遠回りしたりする必要がある場合、業務効率が大きく低下する恐れがあります。

3. 寸法を測る

小規模オフィスの限られたスペースを有効活用するため、以下に挙げるような通路や家具・OA機器の幅をきちんと測定しましょう。

  • メインとなる通路の幅
  • ワークスペースのデスク間の幅
  • デスクと壁の幅
  • デスクとOA機器の幅

成人の肩幅の平均は、およそ40センチメートルとされています。つまり、大人2人がすれ違う場合、通路の幅が1メートルではギリギリです。通路やデスクの幅が、少なくとも120センチメートル以上になるように寸法を測定すると、空間にゆとりが生まれます。

小規模オフィスのレイアウトの注意点

小規模オフィスのレイアウトを決めるときの注意点があります。 オフィスレイアウトに関連した法令には、消防法、建築基準法、労働安全衛生法などがあります。法令によっては罰則があるため、オフィスレイアウトが法令を遵守しているか事前にチェックすることが大切です。

関連法令に違反していないか確認する

オフィスレイアウトを決めるときに関係するのが、消防法、建築基準法、労働安全衛生法の3つの法令です。特に床面積が少ない小規模オフィスの場合、レイアウトによっては関係法令の基準を満たさない可能性があります。

消防法

間仕切りやパーテーションでゾーニングするときは、消防法の確認が必要です。感知器やスプリンクラー、非常灯などの設置が義務づけられたり、管轄の消防署へ防火対象物使用開始届出書の提出が必要になったりする可能性があります。

建築基準法

建築基準法施行令第119条には、廊下の幅についての規定があります。(※)

廊下の用途
廊下の配置
両側に居室がある廊下における場合
その他の廊下における場合
小学校、中学校、義務教育学校、高等学校又は中等教育学校における児童用又は生徒用のもの
2.3メートル
1.8メートル
病院における患者用のもの、共同住宅の住戸若しくは住室の床面積の合計が100平方メートルを超える階における共用のもの又は3室以下の専用のものを除き居室の床面積の合計が200平方メートル(地階にあっては、100平方メートル)を超える階におけるもの
1.6メートル
1.2メートル

オフィスの廊下の両側に部屋がある場合は1.6メートルの通路幅、片側に部屋がある場合は1.2メートルの通路幅が目安となります。 ※出典:e-Gov法令検索. 「建築基準法」. (入手日付2022-12-09).

労働安全衛生法

労働安全衛生規則第600条には、快適な労働環境を維持するため、従業員1人あたりの床面積についての規定が設けられています。(※) “事業者は、労働者を常時就業させる屋内作業場の気積を、設備の占める容積及び床面から4メートルをこえる高さにある空間を除き、労働者1人について、10立方メートル以上としなければならない。” 少なくとも、従業員1人あたり10立方メートルのスペースを確保できるようなオフィスの空間づくりが求められます。建物の有効面積比率(のべ床面積に対する有効面積の割合)を考慮すると、余裕を持った物件選びやレイアウト選びが大切になります。 ※引用:安全衛生情報センター.「労働安全衛生規則」. (入手日付2022-12-09)

小規模オフィスのレイアウトで意識するポイント

小規模オフィスのレイアウトを考える際には、限られたスペースを最大限に活用し、効率的で快適な作業環境を作り出すことが重要です。デザインや配置だけでなく、スタッフの生産性や快適さにも影響を与えるため、以下のポイントを意識すると良いでしょう。

動線を意識したレイアウト

オフィス内の動線を考慮して、社員が無駄に移動しないようにすることが重要です。 効率的なレイアウトを作るためには、作業エリアと休憩エリアや会議室などの共用エリアを適切に配置して、業務に集中できる環境を作りましょう。 スタッフがトイレや会議室、キッチンなどにアクセスしやすく、かつ他の作業スペースを通らないように配置を工夫することも大切です。

ゾーニング

小規模オフィスでは、限られたスペースを効率的に使用するために、作業ゾーンや休憩ゾーンを上手に分けることが大切です。 個別作業が多いスタッフには静かな環境を、チームでの協力が必要なスタッフにはオープンな作業エリアを用意するとよいでしょう。 会議室や休憩室などの共用スペースは、なるべく社内の中心から少し離れた位置に配置し、業務に集中できる環境を作ることを意識しましょう。

柔軟性を持たせる

小規模オフィスでは、将来的な拡張やレイアウト変更が必要になることもあるため、柔軟に対応できるデザインが求められます。 デスクや収納などをモジュール式にして、簡単に配置を変更できるようすることで、社員数の増減に応じて、レイアウトを再配置しやすくなります。 オープンオフィスの一角を小規模な会議室や作業エリアとして利用したい場合は、可動式のパーティションや仕切りを使うと良いでしょう。

自然光と照明の配置

自然光を取り入れることで、社員の生産性や健康を向上させることができます。 できるだけ外光を取り入れるように工夫するとよいでしょう。 大きな窓がある場合、デスクは窓の近くに配置して、自然光を活かし、強い日差しを避けるために、適切なブラインドやカーテンなどで調整するとよいです。 また、蛍光灯やLEDライトを使って、過度に明るすぎないように、また眩しくないように配置することも大切です。

収納スペースの工夫

小規模オフィスでは収納が足りなくなることがありますが、効率的な収納を工夫することで、作業スペースを確保できます。 棚やラックを上に積み重ねることで、床面積を節約しつつ、収納を確保できます。 また、個人のデスクに引き出しやキャビネットを追加することで、作業スペースを整理整頓できます。

音環境の管理

音の環境が集中力に大きく影響します。特に小規模オフィスでは、音の管理が重要です。 吸音性のある素材(カーペットやパネル、カーテンなど)を使って、音を吸収する、会話が多いエリアや会議室には防音効果のあるパーティションを使うと良いでしょう。 また、集中ブースなど社員が個々に集中して作業するための専用スペースを設けることで、集中して作業できる場所を提供できます。

快適な休憩スペースの設置

休憩スペースも小規模オフィスでは重要な要素です。 休憩中にリフレッシュできる場所を設けることで、スタッフのモチベーションが向上します。 小規模なキッチンやカフェエリアを設置して、社員がリラックスできる環境を提供することで、スタッフの満足度向上に繋がります。

ブランディングの反映

オフィスは企業の顔でもあります。デザインを工夫して、企業のブランドや文化を反映させることも重要です。 会社のカラーやロゴを取り入れた色使いを施すことで、統一感のあるオフィスに仕上がります。

小規模オフィスのレイアウトは実績が豊富なハタラクバデザインへご相談ください。

床面積が狭いからこそ、統一感のある雰囲気を演出できたり、レイアウトに社員の意見が反映されやすかったりする点が、小規模オフィスの強みです。 小規模オフィスのレイアウトを考えるときは、ゾーニング・動線・寸法の3点をしっかりと検討しましょう。また、消防法や建築基準法などの法令に違反していないかも大切です。限られたスペースを有効活用し、従業員が快適に働けるオフィス空間づくりに取り組みましょう。

オフィスのレイアウト変更を検討されている場合は、ぜひハタラクバデザインへお問い合わせください。
オフィスの設計から導入までお手伝いするハタラクバデザインでは、テナント物件のご紹介から内装工事を含む各種工事、オフィス家具の設置にいたるまで、ワンストップで実施できるところが強みです。
 
複数の有資格者を保有しており、現在、大阪市周辺で年間200件以上のオフィス施工実績があります。
オフィスにおける各種工事をご検討されている場合は、ハタラクバデザインへお気軽にお問い合わせください。


ハタラクバデザイン 編集部
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