
オフィスランドスケープとは|仕切りの少ないオフィスでチームワークを促進しよう
職場の生産性向上やコミュニケーション活性化を目的とした「オフィスランドスケープ」というレイアウトが注目されています。オフィスランドスケープとは、間仕切りや固定デスクを最低限にし、開放的な空間を設計するオフィスデザインのことです。社員同士の交流が自然に生まれ、アイデアの共有やコラボレーションを促進する効果が期待できます。 本記事では、オフィスランドスケープの特徴・メリット・導入のポイントをわかりやすく解説します。より快適かつ社員のモチベーションを引き出す職場環境を目指したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
オフィスランドスケープとは
オフィスランドスケープとは、フロアに高い壁や仕切りがない開放的な空間のことを指します。背の低いパーティションや棚・植物などを使い、プライバシーを適度に保ちながら空間をレイアウトするのが特徴です。
企業選びでオフィス環境を重視する就活生は「8割以上」
株式会社アーバンプランが就活中の学生500名を対象に実施した調査によると、就活において労働環境を重視する学生はおよそ60%を占めます。中でも、オフィス環境を企業選びのポイントにしている学生は「かなり重要視している」「少し重要視している」を合わせると80%以上です。解放感のあるオフィスは求職者にとって魅力的にうつるのはもちろん、社員の明るく前向きな気持ちを引き出し、パフォーマンス向上にも貢献すると考えられます。 出典:「就活生の企業選びの基準と採用に向けた企業側の対策」に関する調査(株式会社アーバンプラン)
魅力的なオフィスは企業の信頼性向上につながる
近年、オフィスに様々な要素を取り入れ、自社らしさを表現する企業が増えています。昔ながらの仕事をするためだけの無機質なオフィスよりも、先進的なデザインを取り入れたオフィスの方が取引先などの訪問者の印象に残りやすいでしょう。それが結果として企業イメージの向上に役立ち、風通しの良い企業として信頼性向上にもつながります。
オフィスランドスケープを導入するメリット
オフィスランドスケープを導入すると、社員の働きやすさ向上などの様々なメリットがあります。
社員同士のコミュニケーションを促進する
部署間の仕切りがないためセクショナリズムが発生しづらく、社員が協力し合う組織風土を生むことができます。部署を超えたミーティングや対話が活性化し、新しいアイデアが生まれたり業務がスムーズに進んだりする効果が期待できるでしょう。
レイアウト変更にコストや手間がかからない
オフィスランドスケープは大きな仕切りや壁がないため、組織変更などでレイアウトを変えたい場合でも低コストかつ少ない手間で模様替えができます。社員自身も移動しやすいオフィスのため、フリーアドレス導入と同時にオフィスランドスケープを取り入れる企業も多くあります。
会社・チームへの帰属意識が高まる
周囲の社員の様子を見渡せるオフィスランドスケープは、一緒に働くメンバーの顔が見えてお互い何をしているかわかるというメリットもあります。仲間意識や責任感が芽生え、新しく入った社員が組織になじみやすい雰囲気が芽生えたり、自然と社員同士が助け合うチームを作ることにも役立ちます。
オフィスランドスケープを導入する際の注意点
オフィスランドスケープを導入する際は、セキュリティ対策や雑音対策など、いくつかの注意点があります。以下でそれぞれ詳しく解説します。
情報漏えいへの対策は必須
オフィスの見通しが良いのがオフィスランドスケープの特徴ですが、情報漏えいの対策としてすべてを開放的にするのではなく、一部に個室のような空間を作ると良いでしょう。静かな環境で集中して作業したい場合に個室を活用できたり、取引先との商談や1on1での込み入った相談などもしやすくなります。 また誰もがオフィス内を行き来できるオフィスランドスケープでは、普段からクリアデスクを徹底し、情報漏えいを防ぐための取り組みも重要です。
関連記事:クリアデスクとは|メリット・実施ステップを知って自社の情報を守ろう
雑音対策に音楽を導入するのも効果的
社員同士の席が近いと、電話やタイピング音が気になって集中できない場合もあります。そんなときはオフィスに音楽をかけるのがおすすめです。いくつかの音が重なる際に特定の音が聞こえにくくなる「マスキング効果」によって、雑音を軽減して集中を促すことができます。どのようなBGMがいいのか詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事: オフィスにBGMを流した方がいい?音楽が仕事に与える効果を解説
オフィス空間にメリハリをつける
オフィスランドスケープで高い仕切りをなくしたとしても、執務スペースにずらっと机と椅子を並べただけでは、無機質な印象を与えてしまいます。そんなときは執務スペース内にミーティングができるソファー席・スタンディング席(ハドルスペース)などを用意すると、空間にメリハリがつきます。思い立ったときにチームメンバーと気軽に会議を開くこともでき、業務の効率化にも貢献します。
関連記事: ハドルスペースとは|設置するメリットや主な種類をわかりやすく解説
オフィスランドスケープの導入事例
黒田生々堂がオフィスランドスケープを導入した事例3つをご紹介します。
新たな発想が生まれるオフィス:フィルメック株式会社様
以前は部門ごとに部屋が分かれており、部門間のコミュニケーション不足に課題を感じていたフィルメック株式会社様。「コミュニケーションの活性化とモチベーションアップできるオフィスにしたい」とのご要望を受け、ワンフロアにワーキングエリアを集約しました。 社員が集まりやすい中心部に電源とインターネット環境を備えたカフェカウンターを設置したことで、気軽にミーティングを行えるようになり社員間のコミュニケーション増加と生産性向上に貢献しています。またオフィスを訪問する求職者の印象も非常に良くなり、人材採用率の向上にもつながりました。
コミュニケーションと快適性を両立:白石工業株式会社様・白石カルシウム株式会社様
「全社員が快適に仕事ができるオフィス空間」をコンセプトに、オフィスランドスケープを導入した白石工業様・白石カルシウム様。内勤の社員には固定席を設けて仕事効率化を図り、営業職は業務内容に応じて場所を選べるよう、フリーアドレスエリア・リフレッシュエリア・集中エリアを多く設けました。 執務室内はグリーンを取り入れて明るく見通しの良い空間を意識し、背の高い書庫などの配置は避け、全社員がコミュニケーションを取りやすいレイアウトを採用。取扱商材をエントランスや受付カウンターの漆喰の原料として使用し、自社らしさを表現しています。
社員の連携が深まるオフィス:株式会社ソーキ様
「部署間のコミュニケーション不足を解消し、社員のモチベーションアップを図りたい」とのご要望をいただいたソーキ様。以前は部署ごとに部屋が分かれ、部署内でも連携が取りにくい島型レイアウトとなっていました。 新しいレイアウトでは、フリーアドレスデスクを導入して社員同士の会話がしやすい形へと変更。複数色の椅子を取り混ぜたカラフルで明るいオフィスは、仕事のモチベーションアップにもつながっています。リフレッシュルームや昇降デスクの導入、立ち会議の採用などを取り入れて、仕事環境が大きく改善されました。
まとめ
オフィスランドスケープは、仕切りを減らして開放的なレイアウトを採用したオフィス空間です。社員同士のコミュニケーションが活性化し、チームへの帰属意識を高めつつ、創造的なアイデアが生まれやすくなる効果が期待できます。 また、フレキシブルなワークスペースを設けることで、作業に集中する時間と周囲と交流する時間とのバランスをとれるのも大きなメリットです。柔軟性の高い働き方が叶うオフィスランドスケープを導入し、より快適な職場環境を実現してみませんか。 黒田生々堂ではオフィスレイアウトに関するご相談を幅広くお受けしています。お気軽にご相談ください。