
フレックスタイム制のコアタイムとは?意味や目的から設定方法までわかりやすく解説
働き方の多様化が進む中、フレックスタイム制を導入・検討する企業は年々増えています。一方で、コアタイムは必ず設けるべきなのか、どの時間帯が適切なのかといった制度運用上の疑問や不安を抱える人事担当者・経営層も少なくありません。
フレックスタイム制は柔軟性の高い制度である反面、コアタイムの設計やルール整理を誤ると、業務の停滞や労務トラブルにつながるおそれがあります。
この記事では、フレックスタイム制におけるコアタイムの基本的な考え方から、設定方法、導入時の手続きや注意点までを、人事実務の視点でわかりやすく解説します。
目次[非表示]
フレックスタイム制とコアタイムの基本
フレックスタイム制とコアタイムについて、まずは基本的な意味や仕組みを解説します。フレックスタイム制の概要と目的、そしてその中で重要なコアタイムとフレキシブルタイムの意味と違いを押さえておきましょう。
フレックスタイム制とは
フレックスタイム制とは、一定期間の総労働時間だけを決めておき、その範囲内で始業・終業時刻や労働時間を労働者が自分で決定できる制度です。
例えば1か月の清算期間内に所定の総労働時間160時間を定めた場合、従業員は日ごとに勤務開始・終了時刻を変えても、月末までに160時間働けば良いことになります。
★2019年の法改正により清算期間は最長3か月まで延長可能となり、柔軟な運用ができるようになりました。(出典:厚生労働省 フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き)
コアタイムの意味
コアタイムとは、フレックスタイム制の中で必ず勤務しなければならない時間帯のことです。この時間帯は全対象従業員が出勤していなければならず、例えば「コアタイム:11時〜15時」と定めれば、その時間帯は全員が勤務する必要があります。コアタイムを設けるかどうかは企業の任意であり、労使協定でコアタイムの開始時刻・終了時刻を定めることで初めて制度として運用できます。
なお、コアタイムを設けず全て労働者の裁量に委ねる「コアタイムなし(スーパーフレックス)」の運用も可能です。
フレキシブルタイムとの違い
フレキシブルタイムとは、コアタイム以外で労働者が始業・終業時刻を自由に選べる時間帯のことです。
一般的に、1日の勤務可能時間帯のうち、コアタイム前後の時間帯をフレキシブルタイムとして設定します。例えば、コアタイムを11時〜15時に設定し、その前後(7時〜11時・15時〜19時)をフレキシブルタイムとする運用が一般的です。
コアタイム中は全員が勤務していますが、それ以外のフレキシブルタイムでは各自が業務開始・終了時刻を調整でき、この点が両者の大きな違いです。
企業がコアタイムを設ける理由とメリット

フレックスタイム制ではコアタイムを設定しない運用も可能ですが、多くの企業があえてコアタイムを設けています。それは、コアタイムを設けることで得られる業務上のメリットがあるためです。ここでは、コアタイムを設定する主な理由と利点について解説します。
会議や連絡の時間を揃えられる
コアタイムを設ける最大のメリットは、全員が揃っている時間帯に会議や連絡を集中させられることです。従業員がそれぞれ異なる時間に働いていると、打ち合わせのスケジュール調整や情報共有に支障が出る場合があります。
コアタイムがあれば、その時間帯に定例会議やチームミーティングを設定でき、誰かが不在で連絡が取れないといった事態を防げ、情報共有も滞りにくくなります。また、社内だけでなく対外的な連絡対応も、コアタイム内であれば担当者が確実に勤務しているためスムーズになります。
業務の停滞を防げる
全員が一定の時間帯に働くことで、業務の流れが滞りにくくなる効果もあります。フレックスタイム制では各人の勤務時間帯がばらばらだと、他のメンバーの作業待ちが発生して仕事が進まないケースも考えられます。
コアタイム内で必要な稟議や承認作業、チームでの協働作業を済ませるようにすれば、そうした待ち時間を減らし生産性を維持できます。つまり、コアタイムによって業務上のボトルネックを解消しやすくなるのです。結果的に、フレックスタイム制でも組織全体として円滑な業務進行が期待できます。
制度運用を安定させやすい
コアタイムを設定することは、フレックスタイム制の運用を安定させる狙いもあります。従業員にとっては、毎日まったく自由に時間管理を任されるよりも、一定の拘束時間(コアタイム)がある方が自己管理しやすい場合があります。
会社にとっても、コアタイム中に全員が出勤していることで日々の出勤状況を把握しやすく、勤怠管理の負担軽減につながります。
また、コアタイム中の遅刻や早退は就業規則に定めたルールで注意・指導することで、規律も保ちやすくなります。このように、コアタイムがあることで制度を現実的かつ安定的に運用しやすくなるメリットがあります。
フレックスタイム制のコアタイムの決め方とポイント

自社でフレックスタイム制のコアタイムを導入する際には、どのように時間帯を設定すべきか事前によく検討する必要があります。ここでは、コアタイムを決める際の手順と考慮すべきポイントについて説明します。業務上の必要性と従業員の働きやすさを両立させた、適切なコアタイム設定を目指しましょう。
必ず揃う時間を洗い出す
まず、従業員全員が必ず勤務していることが望ましい時間帯を明確にします。業務の性質上、全社的な朝礼や部署横断の会議がある時間、顧客対応が集中する時間帯などがこれに該当します。そのような時間をピックアップし、コアタイムの候補とします。
多くの企業では午前から午後にかけての中間時間帯(例:10~15時など)をコアタイムに設定する場合が多く、この時間帯に重要な会議や連絡を集約することで、効率的に業務を進めることができます。
対象部署・対象者の範囲を決める
次に、フレックスタイム制(およびコアタイム)の適用範囲を決定します。労使協定では、対象となる労働者の範囲を必要に応じて指定できます。
職種によってはフレックス勤務が難しいケースもあるため、自社の業務実態に合わせてコアタイムを適用する部署・職種を絞り込むことが大切です。誰を対象にするかを明確に定め、就業規則や労使協定に記載しましょう。
コアタイムの開始・終了時刻を決める
コアタイムにする時間帯(開始時刻と終了時刻)を具体的に決めます。前述の業務ニーズや従業員の生活事情を踏まえて、無理なく全員が出勤でき、かつ業務効率が上がる時間帯を選びます。ここで注意すべきなのは、コアタイムを必要以上に長く設定しすぎないことです。極端に長いコアタイムを設定すると柔軟な勤務という制度趣旨が損なわれてしまいます。
反対に短すぎると全員が顔を合わせる時間が十分確保できず制度の意味が薄れます。厚生労働省も1日の所定労働時間と同程度の長さのコアタイムや極端に短いフレキシブルタイムは本来の趣旨に反すると注意喚起しています。一般には休憩時間を除いて4時間前後をコアタイムに設定すると、柔軟性と協働時間のバランスが取りやすいでしょう。
他の労働時間ルールと整合させる
コアタイムを設定する際は、既存の労働時間ルールや法的な制約との整合性にも注意が必要です。まず、休憩時間の扱いです。1日の労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分の休憩が必要になるため、コアタイムが長時間に及ぶ場合には途中に昼休憩を設けるなどの工夫が必要です。
また、フレックスタイム制でも時間外労働(残業)の上限規制は適用されるため、コアタイムやフレキシブルタイムの設定によって従業員が過度な長時間労働にならないよう配慮し、36協定の範囲内で運用することが大切です。
さらに、半日有給休暇制度を導入している場合は、コアタイムを丸ごと半休で不在にできないよう就業規則でルールを定めておくと良いでしょう。
フレックスタイム制のコアタイム導入手続きと運用での注意点
最後に、フレックスタイム制でコアタイムを導入する際の手続きと、運用上の留意点を確認します。制度を適切に運用するためには、事前に社内規程や労使協定を整備し、導入後も勤怠管理や残業代計算に注意する必要があります。
就業規則に書くべきポイント
フレックスタイム制(およびコアタイム)を導入する際は、就業規則にその旨を明記しなくてはなりません。就業規則には、フレックスタイム制を適用する従業員について、始業・終業時刻を労働者の決定に委ねること、コアタイムおよびフレキシブルタイムの時間帯など、制度の基本事項を記載します。
半日単位の年休やコアタイム中の遅刻早退に関する処分規定など、細かな運用ルールも定めておけばトラブルを防止できます。就業規則への明記によって従業員に制度内容が周知され、会社もルールに則った運用が可能となります。
労使協定で定める項目
★フレックスタイム制の導入には労使協定の締結が法律上必須であり、協定で定めるべき項目も法律で決まっています。(出典:厚生労働省 フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き)
具体的には以下の6項目です。
・①フレックスの適用労働者の範囲
・②清算期間(起算日と長さ、最長3か月)
・③清算期間における総労働時間(所定労働時間総枠)
・④標準となる1日の労働時間
・⑤コアタイムの開始・終了時刻(※任意)
・⑥フレキシブルタイムの時間帯(※任意)
例えば、営業部門の社員を対象に清算期間1か月・総労働時間160時間、コアタイム10~15時、フレキシブルタイム6~10時および15~19時等の内容を協定で取り決めます。
なお、清算期間を1か月超(最長3か月)とする場合は労使協定を所轄の労働基準監督署に届け出る必要があります。
勤怠管理と残業計算の注意点
フレックスタイム制導入後は、従来以上に正確な勤怠管理が求められます。各従業員の勤務開始・終了時刻がバラバラになるため、タイムカードや勤怠管理システムで労働時間を正確に記録し、清算期間終了時に総労働時間を集計して不足や超過がないか確認します。
総労働時間が法定の労働時間を超過した場合には時間外労働として割増賃金の支払いが必要です。一方、清算期間内で不足時間が生じた場合は、その分の賃金控除(欠勤控除)を適切に行う必要があります。
また、深夜時間帯(22時~翌5時)や法定休日の勤務が発生した場合も通常どおり割増賃金の支払い対象です。引き続き36協定の範囲内で運用し、有給休暇取得時の労働時間計算にも注意しましょう。
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フレックスタイム制におけるコアタイムは、柔軟な働き方と組織の協調を両立させるための重要な仕組みです。コアタイムを適切に設定すれば、従業員の自主性を尊重しながら業務の効率やコミュニケーションを維持できます。
導入にあたっては、就業規則と労使協定でルールを明確に定め、運用面でも勤怠管理と労務管理に注意を払いましょう。コアタイムを活用して、自社に合った柔軟で生産的な働き方を実現していくことが大切です。
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